大恋愛・・・

若年性アルツハイマー病を患ったアラフォーの女性を主人公にしたドラマが終わった。ドラマの題名から受けるイメージとは掛け離れた内容で、重い。その病は、徐々に、その人の記憶を蝕んでいく。お腹を痛めて産んだ我が子のことも、親のことも、そして、夫のことも忘れていく。ドラマの中で描かれたことは決して大袈裟なことではなく、紛れもない現実なのである。

今まで他人本意だった人が自分本位に変質してしまう。同じ話しを何度もする。日にち、曜日、時間の認識がすっ飛んでしまう。つい2~3分前に話しをした内容を忘れてしまう。自分の仕業を人のせいにする。身近な人間関係を理解できなくなる。食事の内容ではなく、食事をしたこと自体を忘れてしまう。そんな色んなことが日常茶飯事になってしまう。

そのような大きな変化を受け入れることができず、対峙する人の困惑度が増していく。見当違いなことや間違ったことを言われて、ついそれを言下に否定してしまう。そのことが却って、その人の尊厳を傷つけることになってしまうことを頭では理解しながらも、感情的になってしまうことがある。

「受容」の精神を持ちなさいとよく言われる。しかし、それはそんなに容易いことだは思えないのである。身近な人から他人扱いされることほど辛いことはないのである。

しかし、それをたった一人で抱えているわけではない。周りには、必ずや支えてくれる人がいるはず。そんな人達のことを大事にし、時には音を上げることがあっても、助けてもらうことがあってもいいと思う。

一番辛いのは、自らの記憶が蝕まれていくことに困惑し苛立ちを募らせるその人自身であることを決して忘れてはならないと思う。

2018年12月16日 | カテゴリー : 心情 | 投稿者 : 石川 利人