改正労働者派遣法について


平成27年9月30(施行日)に、労働者派遣法が改正(35_3.pdf へのリンク)されています。
その詳細(35_4.pdf へのリンク)については、この場では割愛しますが、ポイントについて確認したいと思います。

Ⅰ 労働者派遣事業が「許可制」に一本化されたこと
・一般労働者派遣事業(改正前→許可制) 「登録型」とも呼ばれ、派遣労働者は派遣期間のみ雇用関係が発生する形態です。
・特定労働者派遣事業(改正前→届出制) 「常用型」とも呼ばれ、派遣労働者は常用雇用される形態です。
上記の区別は廃止され、すべての『労働者派遣事業(と呼ばれることになりました)』が許可制となりました。
(経過措置)
許可制への一本化に伴う経過措置により、平成30年9月29日までは(旧)特定労働者派遣事業を継続できますが、経過措置経過後は当該(旧)事業は継続できないため、引き続き、労働者派遣事業を行う場合は、同日までに許可申請を行う必要があります。厚生労働省発行のリーフレット(35_7.pdf へのリンク)をご参照下さい。

2 派遣労働者の雇用の安定とキャリアアップ
●雇用安定措置の実施
同一の組織単位(課やグループなどをいう)に継続して3年間派遣される見込み(※)があれば、派遣終了後の雇用継続のために、派遣元の義務として下記の措置が講じられるもの。
①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供
③派遣元での派遣労働者以外での無期雇用
④その他安定した雇用継続措置

※下線部の派遣労働者に対して、派遣元において上記「雇用安定措置」を講じることが求められます。改正労働者派遣法の施行日以後に締結又は更新された労働者派遣契約に係る派遣労働者については、平成30年10月以後、当該措置の対象者となり、派遣元の義務として、当該措置の本格運用に備える必要が生じます。改正前では期間制限のなかった「26業務(ソフトウェアの開発、機械設計、通訳・翻訳・速記、秘書等)」に長期間派遣されてきた派遣労働者にとっても、派遣元にとっても、それに伴う影響が懸念されるところである。

●キャリアアップ措置の実施
すべての派遣労働者に対して、キャリアアップを図るために、派遣元の義務として、段階的なかつ体系的な教育訓練の実施がなされます。なお、派遣労働者が希望すれば、キャリア・コンサルタンティングが受けられます。
均衡待遇の推進
派遣労働者が求めた場合、派遣元から、下記の点について、派遣元の義務として、派遣労働者派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るために考慮した内容の説明が受けられます。
①賃金の決定
②教育訓練の実施
③福利厚生の実施
●派遣先の(努力)義務として、下記の点が求められます。
①努力義務→派遣労働者を受け入れていた組織単位(同上)に、派遣終了後、新たに労働者を雇い入れる際、一定の場合には、その派遣労働者を雇い入れるよう努めなければならないこと。
②義務→正社員やその他の労働者の募集を行う際、一定の場合には、受け入れている派遣労働者に対しても、その募集情報を周知しなければならないこと。

3 期間制限ルール
改正前には、いわゆる「26 業務(同上)」への労働者派遣には期間制限を設けない仕組みがありましたが、その仕組みが見直され、施行日以後に締結又は更新される労働者派遣契約に基づく労働者派遣には、すべての業務で、次の2つの期間制限が適用されることになっています。
①派遣先事業所単位の期間制限→同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は原則、3年が限度となります。そして、派遣先が当該3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があり、また、1回の意見聴取で延長できる期間は3年までとされます。
②派遣労働者個人単位の期間制限→同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(同上)に対し派遣できる期間は3年が限度となります。

上記のような説明では理解し辛い部分もあると思われますので、下記に図を掲載しますのでご参照下さい。
<派遣先事業所単位の期間制限の図>


<派遣労働者個人単位の期間制限>


4 労働契約申込みなし制度(35_5.pdf へのリンク)
派遣先が下記の違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。ただし、派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失がなかったときを除きます。
①労働者派遣禁止業務(港湾運送業務・建設業務・警備業務・一定の医療関係業務)に従事させた場合
②無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
③期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合
④いわゆる偽装請負(※)の場合
書類上、形式的には請負(委託)契約ですが、実態としては労働者派遣であるものを言い、違法です。労働者派遣とは、自己(つまり、派遣元)の雇用する労働者(つまり、派遣労働者)を、当該雇用関係の下に、かつ、他人(つまり、派遣先)の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを言います。逆に、請負の場合であれば、その他人(つまり、発注者となります)から直接、仕事の指示を受けたり命令を受けたりすることはできず、それらを受けるのは受託者である雇用主からでなければなりません。労働者派遣法に定められた派遣元(受託者)・派遣先(発注者)の様々な責任(義務)が曖昧になり、労働者の雇用や安全衛生面等基本的な労働条件が十分に確保されないといったことが発生する恐れがあります。ご留意下さい。

<参考書類>
石川労働局ホームページ内から入手した「労働者派遣事業に係る関係書類モデル例」(35_6.pdf へのリンク)を参考までに掲載しておきます。ご参照下さい。

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