高年齢雇用継続給付について


令和2年11月13日更新

【先ず始めに】
60歳以上65歳未満、つまり60歳台前半の在職老齢年金制度の仕組みによる「年金支給停止額」、60歳時点等の賃金月額に比し60歳台前半に支払われる賃金の額がどれだけ低下したかを見る「賃金低下率」、その賃金低下率によっては支給されることになる「高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金)の額」、当該支給がある場合に、在職老齢年金制度の仕組みによる年金支給停止に加えて調整されることになるさらなる「年金支給停止額」についてシュミレーションできる下方表を作成してみました。本ページを読み進めていただく際の参考としていただければと思います。なお、Excelで作成した表もご用意しましたので、適宜カスタマイズしていただければ結構かと思います。下線のある年金額(一応、2,400,000円にしています)と60歳時点等の賃金月額(一応、450,000円にしています)のところにご自身の額をご入力いただくと、現在ご自身に支給されている賃金における「年金支給停止額」「賃金低下率」「高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金)の額」が表れますのでご確認下さい。ただし、下線部をご入力いただくと、「賃金低下率」欄にある数値が変化すると思われますので、その場合は色強調等は適宜、カスタマイズして下さい。特に、60歳台前半を迎えられる方々にとっては、働きながらも、賃金に加え年金の支給も受けたいという希望がある場合に、それによってどう影響があるのか、さらには、60歳以降どの程度の賃金を希望するのかなどを考える必要もあろうと思われます。その際のツールのひとつにしていただければ幸いです。
 60歳台前半の在職老齢年金制度の仕組みによる支給停止額(月額)については、4通りの算式がありますが、当該表では、一般的な算式である「標準報酬月額相当額≦470,000円(支給停止調整変更額)」であり、かつ「基本月額≦280,000円(支給停止調整開始額)」の場合の『(標準報酬月額相当額+基本月額-280,000円)×1/2』という算式をもって計算しています。

(なお、Excelの表については、計算式等遺漏なきよう慎重に設定したつもりですが、誤り等お気づきの点があれば、忌憚なくご指摘いただきますようお願い申し上げます)

※人事労務トピックス「定年前後の労働・社会保険手続について」もご参照下さい。
※人事労務トピックス「改正高年齢者雇用安定法及び70歳までの就業機会確保に向けてのさらなる法改正の動き等について」もご参照下さい。

※高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続のリーフレットは こちら (24_11.pdf へのリンク)から(令和1年9月4日に、令和1年8月1日時点でのリーフレットが公開されました)

【高年齢雇用継続給付に係る追加給付について】
現時点では、厚生労働省のホームページを見る限りでは、その方策につき示されておりませんが、弊職において、その方向性を予想しました。あくまでも参考程度ですが、その対象になる可能性があると思われる方々は、人事労務トピックス一覧表にある「雇用保険の追加給付について」をご確認下さい。

【高年齢雇用継続給付についての今後の動向について〜「雇用保険部会報告」から】
令和2年1月8日に開催された厚生労働省労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会によって公表された「雇用保険部会報告」(24_16.pdf へのリンク)によれば➣
『「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、60歳以上65歳未満の労働者に対する「継続雇用制度」が実施されましたが、さらに、同法律の改正(平成25年4月1日施行)により、定年後の継続雇用制度の対象となる高年齢者について、事業主が労使協定に定める基準により限定できる仕組みが廃止され、つまり、労使協定に基準を設けて、当該基準に該当しない高年齢者を対象外にするということができなくなり、希望者全員を再雇用しなければならなくなったわけです。しかし、この改正には、一定の期間(12年間)の「経過措置」が設けられました。つまり、平成25年4月1日以後であっても直ちに希望者全員を65歳まで再雇用する必要はなく、老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げに合わせ、当該支給開始年齢までは希望者全員を再雇用しなければならないものの、それ以降の年齢の者については、従前通り、労使協定(平成25年3月31日までに、継続雇用制度の対象者を限定する基準を労使協定に設けている事業主に限ります)に定める基準に該当しない者は継続雇用制度の対象外にすることができるという例外規定が設けられました。ただ、当該経過措置も令和7年3月31日をもって終了し、令和7年度以後は、60歳以上65歳未満のすべての労働者は希望すれば継続雇用制度の対象になります。また、60歳台前半の就業率が70%に手が届く水準であること、希望者すべてが65歳まで働ける企業の割合も80%に手が届く水準になっていること、さらに、働き方改革により、高年齢労働者であっても雇用形態に関わらず公正な待遇の確保が求められることになることなどを踏まえ、 上記の経過措置が終了する令和7年度からは、新たに60歳になる高年齢労働者への高年齢雇用継続給付の給付率(最大15%)を半分程度にすることが適当である』旨の方針が示されています。
なお、令和2年1月8日に開催された第144回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会において厚生労働省より提示された資料「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」(24_17.pdf へのリンク)第一 五 高年齢雇用継続給付の改正によれば、高年齢雇用継続給付の給付率は最大10%になる模様で、そして、各支給対象月に支払われた賃金(原則として、60歳以降に支払われる賃金のことを言います)の額が、原則として60歳に到達する前6箇月間に支払われた賃金の総額を180で除して算定された賃金日額(これを「みなし賃金日額」と言います)に30を乗じて得た額の64/100(64%)相当額以上(低下率)75/100(75%)未満(になるものと思われます)の場合には、10%から徐々に逓減する率になるとされています。従って、低下率が64/100(64%)未満の場合には給付率は10%になります。施行は令和7年4月1日からの予定です。
当該改正により、令和7年度から高年齢雇用継続給付の給付率が縮小されることから、令和3年度から、60歳から64歳までの高年齢労働者の処遇改善に取り組む企業に対する助成制度(仮称「高年齢者処遇改善促進助成金」)が創設される予定です。具体的な内容は不詳につき、判明次第、当ページに掲載します。

前置きが長くなりました。本題に入ります。

雇用保険法の雇用継続給付のうち、今回は高年齢雇用継続給付について確認したいと思います。当該給付には2種類あり、雇用保険法の失業等給付の中の「求職者給付」のうち「一般被保険者」を支給対象とした「基本手当(再就職手当等基本手当を支給したとみなされる給付を含む)」を受給していない人を対象とする「高年齢雇用継続基本給付金」当該「基本手当(同)」を受給し、その後再就職した人を対象とする「高年齢再就職給付金」となります。

【2つの給付金に共通する受給資格要件】
●60歳以上65歳未満の「一般被保険者」であること。
なお、参考までに、平成29年1月1日以後、65歳以上の労働者については、「高年齢被保険者」として雇用保険の対象(詳細は人事労務トピックスにある「雇用保険の適用拡大」をご参照下さい)になっています。
●「被保険者であった期間(人事労務トピックスにある「失業等給付の拡充について」3.失業等給付の拡充(基本手当の拡充②)(平成29年8月から)に説明箇所があります。ご参照下さい)」が5年以上あること。なお、60歳以降65歳になるまでの間に当該期間が5年以上になっても可です。その場合はその時点で受給資格が発生することになります。
●原則として60歳時点と比較して、60歳以降の賃金(みなし賃金*1を含む)が60歳時点の75%未満となっていること。
*1 支給対象月に支給された賃金が低下した理由が、下記のような、被保険者本人や事業主に責めがある場合、他の社会保険により保障がなされることが適切な場合などには、当該低下部分は支払われたものとみなして賃金の低下の有無を判断するもので、このような賃金を「みなし賃金」と言います。
・被保険者本人の非行等による懲戒が原因である場合
・事業主(使用者)の休業→労働基準法において、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合には、使用者は「休業手当」として平均賃金の60%以上を支払わなければならないという規定があります。
・疾病又は負傷による欠勤→この場合には健康保険法の「傷病手当金」が支給される場合があります。
・妊娠、出産、育児、介護による欠勤→健康保険法の「出産手当金」、雇用保険法の「育児休業給付金や介護休業給付金」が支給される場合があります。
●さらに、「高年齢再就職給付金」については、再就職日の前日における「基本手当」の支給残日数が100日以上であることも必要とされています。

【支給対象者】
①「高年齢雇用継続基本給付金」の場合
●「被保険者であった期間(基本手当を受給したことがある人はその受給後の期間に限ります)」が通算して5年以上あること。つまり、「算定基礎期間(「被保険者であった期間」とほぼ同じ意味となるもので、「基本手当」の所定給付日数の決定の基礎となる期間のことです。同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間のことを言い、賃金の支払の有無は問われません)に相当する期間 」 が通算して5年以上であること。
●一般的には、60歳で定年になり、その後、同じ会社で嘱託といった形で継続雇用される場合が想定されます。
●60歳時点では支給対象者でなくても、その後に支給対象者になった場合(リーフレットの2ページに注釈を掲載しております)。
●60歳前に離職し、離職後1年以内に(この間に「基本手当」の受給がなかったことが必要)再就職した場合について、例えば、
・A社での被保険者であった期間が3年あって、その後、A社を離職し、さらにその後、1年以内にB社に再就職し被保険者であった期間が2年になった時点で60歳以上の場合で、A社の3年間とB社での2年間を通算して算定基礎期間が5年以上になった場合
・A社での被保険者であった期間が5年以上あって、その後、A社を離職し、さらにその後、1年以内にB社に再就職した時点で60歳以上の場合
いずれの場合も、「高年齢雇用継続基本給付金」の対象になり、後者の場合は、A社を離職した時点の「みなし賃金日額」との対比になるとのことです。
②「高年齢再就職給付金」の場合
●「基本手当」の「算定基礎期間 が 通算して5年以上あること。ここで「算定基礎期間」とされるのは、「高年齢再就職給付金」の場合は、実際に「基本手当」を受給していることが条件であり、その所定給付日数の決定の基礎となる「算定基礎期間」を基に、「基本手当」が支給されているからである。
●再就職日の前日における「基本手当」の支給残日数が100日以上であること。
●安定した職業に就くことにより被保険者となったこと。
●なお、離職は60歳前でも60歳後でもいい。離職後「基本手当」を受給し、所定給付日数を100日以上残して60歳以降に再就職することが必要となります。従って、60歳前に離職し、60歳前に再就職した場合は支給対象とはなりません。

【支給期間】
①「高年齢雇用継続基本給付金」の場合
被保険者が60歳に達した月(60歳の誕生日の前日が属する月となります)から65歳に達する月(65歳の誕生日の前日が属する月となります)までの間で、各歴月の初日から末日まで、被保険者であり、かつ、育児休業給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしなかったことが必要です。
②「高年齢再就職給付金」の場合
再就職日の前日における基本手当の支給残日数が200日以上のときには、再就職日の属する月から再就職日の翌日から2年を経過する日(再就職日が平成29年9月1日とすると、その翌日である9月2日から平成31(2019)年9月1日までとなります)の属する月まで、100日以上200日未満のときには同じく1年を経過する日の属する月までとなります。被保険者が65歳に達した場合は、期間に関わらず、65歳に達した月までとなります。逆に、65歳に達するまでに、2年あるいは1年を経過する日が到来した場合、その日の属する月までとなります。各歴月の初日から末日まで、被保険者であり、かつ、育児休業給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしなかったことが必要です。

【支給額】(青字)は令和1年8月1日(緑字)は令和2年8月1日からの変更額です
①原則の場合
支給額の算定は下記算式により求められる「低下率」に応じた計算式により行われます。
「低下率」=支給対象月に支払われた賃金額 / 賃金月額(原則として60歳に到達する前6ヶ月間の平均賃金)*2
*2 この賃金月額には上限があり、472,200円(改定額472,500円)(476,700円)(479,100円)となっていますので、分母である賃金月額に限度を設けることで低下率が下がり過ぎないようになっています。なお、下限は74,400円(75,000円)(77,220円)です。
●「高年齢雇用継続基本給付金」の賃金月額は、事業主から提出される「雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書」(24_2.pdf へのリンク)をもって算定されるものであり、原則として60歳に到達する前6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180 で除して算定された賃金日額(これを「みなし賃金日額」と言います)に30を乗じて得た額となります。
●「高年齢再就職給付金」の賃金月額は、離職前の「被保険者期間(人事労務トピックスにある「失業等給付の拡充について」3.失業等給付の拡充(基本手当の拡充②)(平成29年8月から)に説明箇所があります。ご参照下さい)」として計算された最後の6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180 で除して算定された「賃金日額(再就職前に受給していた「基本手当」に係るもの)」に30を乗じて得た額となります。
「低下率」61%未満(なお、市販されている参考書等や厚労省ホームページにおいて公開されている「業務取扱要領 雇用継続給付関係(高年齢雇用継続給付)」(令和1年6月1日以後)50ページ(24_15.pdf へのリンク)によると、当該比率は61%未満と表記されていますが、ハローワークのホームページにおいて公開されているリーフレット「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」4ページにおいては61%以下と表記され、整合性がとれていません)の場合→支給額=支給対象月に支払われた賃金額×15%
●「低下率」が61%以上(なお、市販されている参考書等や厚労省ホームページにおいて公開されている「業務取扱要領 雇用継続給付関係(高年齢雇用継続給付)」(令和1年6月1日以後)50ページによると、当該比率は61%以上と表記されていますが、ハローワークのホームページにおいて公開されているリーフレット「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」4ページにおいては61%超と表記され、整合性がとれていません)75%未満の場合→支給額=183/280×支給対象月に支払われた賃金額+137.25/280×賃金月額→複雑な計算式ですが、要するに、15%から徐々に逓減する率となるわけです。
②みなし賃金の場合
みなし賃金については前述した通りであるが、その算定は下記の通りとなります。

     みなし賃金=支給対象月に実際に支払われた賃金額(減額後)+減額部分

●先ず、みなし賃金に基づいて「低下率」及び「支給率」が算定されます。つまり、減額部分を加算したものに対して「低下率」を見ますので、被保険者にとっては厳しい算定となります。なお、「支給率」に関しては、「低下率」が61%以上(同上)75%未満の場合につき、61.5%~74.5%までの間で0.5%刻みの「低下率」に応じた「支給率」が算定された「早見表」がリーフレットの7ページに掲載されていますので、ご参照下さい。
●支給額の算定は下記の通りとなります。

       支給額=支給対象月に実際に支払われた賃金額(減額後)×支給率

つまり、支給額の算定は、支給対象月に実際に支払われた賃金額(減額後)に基づくことで、被保険者にとってはさらに厳しい算定となっています。
支給限度額以上の場合
●「高年齢雇用継続給付」には支給限度額が設けられており、支給対象月に支払われた賃金額が359,899(改定額360,169➣再改定額360,163)(363,359➣改定額363,344)(365,114)円(離職時の年齢層が60歳~64歳までの場合の賃金日額の上限額である15,740(改定額15,750)(15,890)(15,970)円に30を乗じて得た額である472,200(改定額472,500)(476,700)(479,100)円(つまり、60歳到達時等の賃金月額の上限額)の76%相当となっています)以上となります。この場合には、給付金は支給されません。

※雇用保険の賃金日額・基本手当日額の変更(平成30年8月1日から)はこちら(24_3.pdf へのリンク)から
※雇用保険の賃金日額・基本手当日額の変更(令和1年8月1日から)はこちら(24_12.pdf へのリンク)から
※雇用保険の賃金日額・基本手当日額の変更(令和2年8月1日から)はこちら(24_20.pdf へのリンク)から

※雇用保険の雇用継続給付に係る支給限度額等の変更(平成30年8月1日から)はこちら(24_5.pdf へのリンク)から(支給限度額等の算出根拠についてはこちら(24_22.pdf へのリンク)
※雇用保険の雇用継続給付に係る支給限度額等の変更(令和1年8月1日から)はこちら(24_13.pdf へのリンク)から(支給限度額等の算出根拠についてはこちら(24_22.pdf へのリンク)から
※雇用保険の雇用継続給付に係る支給限度額等の変更(令和2年8月1日から)はこちら(24_21.pdf へのリンク)から(支給限度額等の算出根拠についてはこちら(24_22.pdf へのリンク)から

●支給対象月に支払われた賃金額+算定された支給額>359,899(改定額360,169➣再改定額360,163)(363,359➣改定額363,344)(365,114)円の場合→359,899(改定額360,169➣再改定額360,163)(363,359➣改定額363,344)(365,114)円-支給対象月に支払われた賃金額=給付金の支給額となります。

(➣再改定額〇〇〇)(➣改定額〇〇〇)の意味するところは〜厚生労働省職業安定局雇用保険課より公表された「全国調査の結果により雇用保険で発生する賃金日額上限額等の変動と影響について」から
令和元年8月22日に、大阪府において「毎月勤労統計調査」を担当する2名の統計調査員が不適切な事務処理を行っていた旨の報告があり、集計結果の訂正を8月26日に公表するとともに、大阪府の事案を踏まえ、同日、大阪府を除く全ての都道府県に対して同様の事案がないか点検を依頼しました。その全国点検の結果、45都道府県からは適切に事務処理が行われているとの報告がありましたが、奈良県において1名の統計調査員が不適切な事務処理を行っていた旨の報告があり、それに伴う雇用保険の給付への影響について公表があったもので、追加給付に至らなかったものの、賃金日額の上限の一部について、下方修正が必要になったことを受けての修正です。告示日は令和2年1月上中旬で、適用は令和2年3月1日(24_18.pdf へのリンク)(24_19.pdf へのリンク)からになります。
(赤字)強調の意味するところは、人事労務トピックスにある「失業等給付の拡充について」の4.「特記事項」において記載しております。ご参照下さい。
④最低限度額以下の場合
●算定された支給額≦1,984(2,000)(2,059)円の場合→給付金は支給されません。賃金日額の下限額である2,480(2,500)(2,574)円×0.8=1,984(2,000)(2,059)円から導き出されたもので、「基本手当日額」の下限額とされています。

【老齢厚生年金と高年齢雇用継続給付の併給調整について】
特別支給の老齢厚生年金(いわゆる、60歳台前半の老齢厚生年金)つまり人事労務トピックスにある「在職老齢年金制度」の支給を受けながら、高年齢雇用継続給付の支給を受ける期間については、高年齢雇用継続給付の支給額に応じて、「在職老齢年金」の支給停止額に加えて、さらに、年金の一部が支給停止されることになります。
「標準報酬月額」(厚生年金保険法上の支給停止となりますので、雇用保険法上の「支給対象月に支払われた賃金額」ではなく、「標準報酬月額」を基準にして判断されます)=60歳到達時等の賃金月額の61%未満(同上)の場合→「標準報酬月額」の6%相当額が支給停止されます。
「標準報酬月額」=60歳到達時等の賃金月額の61%以上(同上)75%未満の場合→「標準報酬月額」に6%から徐々に逓減する率を乗じて得た額が支給停止されます。
●従って、高年齢雇用継続給付が支給されない場合には、当該併給調整はそもそも行われません。
●つまり、高年齢雇用継続給付の額が多い(低下率が61%未満(同上)の場合、支給率は15%)ほど、年金の支給停止額が多くなる仕組みだということです。

【支給申請手続】→基本的には、事業主が管轄職安に支給申請を行うことになります。
●「高年齢雇用継続基本給付金」の場合
原則として、当該給付金の初回支給申請手続の際に、当該給付金の受給資格の確認も合わせて行うものとし、その場合には、「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」(24_4.pdf へのリンク)に「雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書」を添えてしなければなりません。その結果により、リーフレットの11ページに掲載されている様式である「高年齢雇用継続給付支給申請書・高年齢雇用継続給付次回申請日指定通知書(事業主通知用)・高年齢雇用継続給付支給(or不支給)決定通知書(被保険者通知用)」というそれらが一体となった書類が交付されることになります。支給決定となった場合には、次回申請用としての「高年齢雇用継続給付支給申請書」を使用することになります。
上記初回支給申請に先立って、「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」を受給資格確認票として使用し、「雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書」とともに管轄職安に提出して、受給資格確認の照会のみを行うことも可能です。その場合には、「高年齢雇用継続給付受給資格確認(or否認)通知書」が交付されます。受給資格確認となった場合には、さらに、「高年齢雇用継続給付支給申請書(初回分)」も交付されます。
●「高年齢再就職給付金」の場合
原則として、当該給付金の初回支給申請前に、「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」を受給資格確認票として使用し、受給資格確認の照会を行うことになります。当該書類により、再就職給付金の受給資格の確認が行われた場合には、「高年齢雇用継続給付受給資格確認通知書」と「高年齢雇用継続給付支給申請書(初回分)」が交付され、当該申請書をもって初回分の申請を行うことになります。当該支給申請に対しては、「高年齢雇用継続給付支給(or不支給)決定通知書」をもってその結果が通知され、支給決定となった場合には、次回申請用としての「高年齢雇用継続給付支給申請書」が交付されることになります。
なお、当該受給資格確認の照会を行った際に、合わせて、「雇用保険被保険者資格取得届」の提出も行う必要があります。
平成30年10月1日から、雇用継続給付(高年齢雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付)の手続を事業主等(社会保険労務士が事業主から委任を受けて提出代行する場合も含む)が行う場合、被保険者から「記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書」(24_8.pdf へのリンク)(24_9.pdf へのリンク)(24_10.pdf へのリンク)を提出させ、事業主等が完結の日から4年間保存することを条件に、被保険者の署名・押印が省略できることになりました。その場合には、申請書等の本人署名欄には、「申請について同意済」と記載することで足ります。詳細は厚生労働省等から発出されているリーフレット(24_7.pdf へのリンク)をご参照下さい。
(対象となる申請書等)
①高年齢雇用継続給付金の場合
・高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
・高年齢雇用継続給付支給申請書
・雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書(高年齢雇用継続基本給付金のみ)
②育児休業給付金の場合
・育児休業給付金受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
・育児休業給付金支給申請書
・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
③介護休業給付金の場合
・介護休業給付金支給申請書
・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書

【支給申請手続~電子申請】
当該手続についても、電子申請(弊事務所においては対応可能となっています)が可能となっております。雇用継続給付(育児休業給付金・介護休業給付金も含め)の支給申請は初回分を除き、2ヶ月に1回のペースで申請を行っていく必要があり、その事務負担は軽微とは言えません。これらの支給申請手続を弊職のような社会保険労務士にお任せいただくことで、事務処理の効率化が図れるものと考えられます。是非、ご用命のほどお願い申し上げます。


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