国民年金保険料の(特例)免除、納付猶予・特例制度等について


令和1年11月1日更新

【概要】

国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合の救済制度として、免除申請、納付猶予申請、学生納付特例申請、さらに失業等をした場合の特例免除申請といった制度が用意されています。国民年金保険料の納付ということですので、実際に納付する必要のある方々、つまり国民年金第1号被保険者(20歳以上60歳未満)の方々であり、例えば、個人事業主、農業者、学生、さらには失業した方々がその対象で国籍要件はありません。その第2号被保険者(被用者年金(厚生年金保険)の加入者)や第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者で、主として第2号被保険者の収入によって生計維持する者)といった実際に自身で国民年金保険料自体を負担しない方々は対象ではありません。
【免除申請】
本人、配偶者、世帯主各々の前年等所得が一定額以下の場合や失業等の事由がある場合に、申請により保険料の納付が全額免除又は一部免除になるものです。
<免除の申請可能期間と前年所得の関係→平成30年4月に申請した場合>
年度(免除等の場合は7月から
翌年6月まで)
免除等の申請が可能な期間 審査対象となる前年所得
平成27年度 平成28年3月から平成28年6月 平成26年中の所得
平成28年度 平成28年7月から平成29年6月 平成27年中の所得
平成29年度 平成29年7月から平成30年6月 平成28年中の所得
平成30年度
(当該年度分は平成30年7月になってから
申請可能となります)
平成30年7月から平成31年6月 平成29年中の所得
・所得とはいわゆる収入金額のことではありません。収入金額から必要経費(給与の場合は給与所得控除)を控除した後の額のことです。
・平成27年度分の免除等の申請が可能な期間が平成28年3月からとなっているのは、申請月から2年1箇月前までがその対象となっているからです。つまり、平成30年4月に申請する場合で、当該月までに納付が可能となるのは平成28年3月分以後で、当該月分の納付期限(原則、翌月末日→従って、その納付期限は4/30になりますが、当該日は土曜日であるため、実際には5/2になります)から2年を経過すると時効により免除の申請ができなくなるからです。よって、平成28年3月分についての免除申請期限は平成30年5月2日となります。
・7月~翌年6月となるのは、例えば、平成29年分の住民税の税額決定があるのは翌年6月、つまり、平成30年度分の免除等の申請が可能な期間である平成30年7月から平成31年6月までの1年間分(審査対象となる前年所得は平成29年中の所得です)については、平成30年6月にならないとその対象とする平成29年分の所得(住民税の税額決定のための所得)が判明しないからです。
<免除申請の種類>
①全額免除
・免除すべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分については前々年の所得)が次の額以下である場合→(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(単身の場合は57万円になります)
・本人又は本人の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助(生活扶助の場合には「法定免除」の対象となります)又はらい予防法によるこれに相当する援助を受けている場合
・地方税法に定める障害者又は寡婦で、免除すべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分については前々年の所得)が125万円以下(個人住民税非課税基準)である場合→改正予定事項
・保険料を納付することが著しく困難な場合として、災害や失業等の事由がある場合→これを「特例免除」と言います。前年所得が多くても所得にかかわらず災害や失業等があった月の前月から免除の対象となります。この場合には、本人の所得は除外して、その配偶者や世帯主が所得要件を満たしている、あるいは災害や失業等の特例に該当している必要があるとのことです。

 令和3年度分の個人住民税(所得割・均等割)(ということは、令和2年分の所得が対象)から、先ず、個人住民税非課税基準となる所得金額が135万円以下になります。つまり、免除すべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分については前々年の所得)が125万円以下から135万円以下へと10万円引き上げられることになります。同時(令和3年度以後)に、児童扶養手当受給者である「未婚のひとり親」も当該個人住民税の非課税措置の対象者(地方税法上「単身児童扶養者」と定義されます)に加えられることで、同じく全額免除の対象(令和3年4月1日以後)になります。さらに、同時(令和3年度以後)に、既に個人住民税の非課税措置の対象者である「地方税法に定める寡夫」についても、同じく全額免除の対象になります。
従って、地方税法に定める障害者、寡婦、寡夫又は単身児童扶養者で、免除すべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分については前々年の所得)が135万円以下(個人住民税非課税基準)である場合 となります。

<平成30年3月31日に離職した場合→その翌日である4月1日が「失業した日(雇用保険では被保険者資格喪失日に当たります)」で、当該日の属する月が発生月となります。この発生月である平成30年4月に申請した場合の事例>
災害や失業等の事由が発生した年月 特例免除の申請が可能な期間
平成30年4月  平成30年3月から平成30年6月
 平成30年7月以後の期間は、平成30年7月になってから申請可能となります。
<過去に失業した場合で、平成30年4月に申請する場合の事例>
災害や失業等の事由が
発生した年
特例免除の申請が可能な期間
平成26年(1月~12月) 平成28年3月から平成28年6月
平成27年(同上) 平成28年3月から平成29年6月
平成28年(同上) 失業等の前月から平成30年6月
平成29年(同上) 失業等の前月から平成30年6月
 - 平成30年7月以後の期間は、平成30年7月
になってから申請可能となります。 
・失業等の発生年が平成26年中及び平成27年中である場合で、特例免除の申請が可能な期間が平成28年3月からとなっているのは、申請月(平成30年4月)から2年1箇月前までがその対象となっているからです。
・全額免除(法定免除も含む)の場合の老齢基礎年金の年金額への反映割合は1/2(1/3)(国庫負担)のみとなります。
・基礎年金の国庫負担割合は、平成21年3月以前は1/3、平成21年4月から1/2に引き上げられていますので、平成21年3月以前の保険料免除期間については、その反映割合は朱色の数値になります。
②一部免除
免除すべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分については前々年の所得)が次の額以下である場合
・3/4免除→78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・半額免除→118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・1/4免除→158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

・免除の申請可能期間と前年所得の関係については、上記の表をご参照下さい。
・なお、一部免除については、免除される保険料以外の減額される(つまり納付するべき)保険料(平成30年度価格16,340円で、1/4免除だと、免除される保険料が4,080円となりますので、減額される(つまり納付するべき)保険料は12,260円となります)は納付しないと一部免除は無効となり、免除された保険料も含めて全保険料が「未納」となりますのでご留意下さい。当該未納分については、「保険料の後納制度」を利用することで、遡って納付できる制度がありました(平成30年9月30日をもって終了しました)。人事労務トピックスにある「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)(短縮用)」に説明箇所があります。ご参照下さい。
・一部免除については、免除された保険料を「追納(厚生労働大臣の承認を受けて、その承認の日の属する月前10年以内の免除期間等における保険料の全部又は一部を遡って納付できる制度のこと。保険料の納付が免除された期間のみならず、保険料の納付が猶予された納付猶予申請期間や学生納付特例申請期間も含む)」しない限り、老齢基礎年金の年金額への反映割合は下記の通りとなります。
・ 3/4免除→1/2(国庫負担)+1/8(1/2-1/2×3/4)=4/8+1/8=5/8
(1/3(国庫負担)+2/12(2/3-2/3×3/4)=4/12+2/12=1/2)
・半額免除→1/2(国庫負担)+2/8(1/2-1/2×2/4)=4/8+2/8=6/8=3/4
(1/3(国庫負担)+1/3(2/3-2/3×1/2)=2/3)
・1/4免除→1/2(国庫負担)+3/8(1/2-1/2×1/4)=4/8+3/8=7/8
(1/3(国庫負担)+6/12(2/3-2/3×1/4)=4/12+6/12=5/6)

※国民年金保険料追納申込書(31_1.pdf へのリンク)

・基礎年金の国庫負担割合は、平成21年3月以前は1/3、平成21年4月から1/2に引き上げられていますので、平成21年3月以前の保険料免除期間については、その反映割合は朱色の数値になります。

【納付猶予申請】
無職やフリーターなど低所得の若年層が増加傾向にある中で、さらに低所得の中高年も増加傾向にある状況に鑑み、納付猶予の対象年齢の引き上げがなされ、50歳未満の者への拡大化が図られました。平成28年7月以後令和7年6月まで(なお、法改正により、令和12年6月まで延長されることになっています)、50歳未満(平成28年6月以前の期間は30歳未満であった期間が対象)の方(学生は除く)で、本人、配偶者(世帯主は除く)各々の前年等所得が次の額以下の場合に、申請により保険料の納付が猶予されるものです。→(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(単身の場合は57万円になります)(つまり、全額免除の場合と同じ)
・免除の申請可能期間と前年所得の関係については、上記の表をご参照下さい。
・当該申請については、老齢基礎年金の受給資格期間への算入は行われますが、老齢基礎年金の年金額には全く反映されないことになっています。

※「国民年金保険料 免除・納付猶予の申請について」のリーフレット(31_2.pdf へのリンク)
※「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」のリーフレット(31_3.pdf へのリンク)

【全額免除申請及び納付猶予申請において留意すべき点】
※平成17年7 月より、被保険者の利便性の向上及び業務の効率化を図る観点から、翌年度以後も引き続き同一の事由により申請(全額免除・納付猶予)を行う旨を申し出た場合は、翌年度以後の申請(全額免除・納付猶予)書等の提出の省略を認めている→「国民年金保険料免除・納付猶予申請書B.申請内容欄の中の⑭継続希望区分欄」において、「1.する」に○印を記入する方法をもって申し出る形となっています。
※さらに、平成30年7月からは、手続をより簡素化する観点から、日本年金機構において、納付猶予に該当する被保険者が、翌年度以後に全額免除に該当することが把握できる場合であって、当該被保険者からあらかじめその旨の意思表示があった場合は、申請(全額免除)書等を省略できる旨の改正がなされます→「国民年金保険料免除・納付猶予申請書B.申請内容欄の中の⑭継続希望区分欄」において、先ず、1.において、『「全額免除」又は「納付猶予」が承認された場合は、翌年度以降も同じ免除区分での免除申請を希望します。』に対して『はい』に○印を記入する方法をもって申し出た場合で、次に、2.において『「納付猶予」が承認された次の年度において「全額免除」の審査基準に該当する場合、その年度以降は「全額免除」を希望しますか。』に対して、『はい』に○印を記入する方法をもって申し出た場合には、その年度以後の申請(全額免除)書等の提出の省略が認められることになります。

平成30年7月から使用することになる新様式「国民年金保険料免除・納付猶予申請書(B.申請内容欄の中の⑭継続希望区分欄)」(31_6.pdf へのリンク)をご参照下さい。

【学生納付特例申請】
学生の方が、申請により保険料の納付が猶予されるものです。対象となる学生は、大学(院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校に在学する者で、当該特例を受けようとする年度の前年等の所得が次の額以下の場合、又は失業等の事由のある場合です。→118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等(つまり、半額免除の場合と同じ)
・当該申請についても、老齢基礎年金の受給資格期間への算入は行われますが、老齢基礎年金の年金額には全く反映されないことになっています。
<学生納付特例の申請可能期間と前年所得の関係→平成30年4月に申請した場合>
 年度(学生納付特例の場合は4月~翌年3月まで) 学生納付特例の申請が可能な期間  審査対象となる前年所得 
 平成27年度  平成28年3月  平成26年中の所得
 平成28年度  平成28年4月から平成29年3月  平成27年中の所得
 平成29年度  平成29年4月から平成30年3月  平成28年中の所得
 平成30年度  平成30年4月から平成31年3月  平成29年中の所得
・学生納付特例申請については、学生本人の前年等の所得のみが基準となります。
・平成27年度分の学生納付特例の申請が可能な期間が平成28年3月のみとなっているのは、申請月から2年1箇月前までがその対象となっているからです。つまり、平成30年4月に申請する場合で、当該月までに納付が可能となるのは平成28年3月分以後で、当該月分の納付期限(原則、翌月末日→従って、その納付期限は4/30になりますが、当該日は土曜日であるため、実際には5/2になります)から2年を経過すると時効により免除の申請ができなくなるからです。よって、平成28年3月分についての免除申請期限は平成30年5月2日となります。

※「国民年金保険料 学生納付特例の申請について」のリーフレット(31_4.pdf へのリンク)
※平成29年度において「学生納付特例制度」により、保険料納付を猶予されている者で、引き続き平成30年度も在学予定の者に送付される「お知らせ」(31_5.pdf へのリンク)が日本年金機構より発出されています。当該制度については、毎年申請する必要があることからくるものです。ご留意下さい。

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