個人型確定拠出年金(DC)(iDeCo)について


令和2年5月21日更新


国民年金基金連合会サイト「iDeCoガイド」へ

「確定拠出年金(DC)」は、公的年金に上乗せして給付を受ける私的(企業)年金のひとつで、基礎年金や厚生年金保険と組み合わせることで、より豊かな老後生活を実現することを目的に制度化されているものです。今般、働き方の多様化等に対応し、企業年金の普及・拡大を図るとともに、老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援するため、そのうちの「個人型DC」につき、その加入者範囲の拡大化や小規模事業主(従業員100人以下)による「個人型DC」への掛金追加納付制度の創設等の措置を講ずることを内容とする「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」が成立しています。
※詳細については、厚労省ホームページにおいて公開されている「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」の概要等を記した資料(27_1.pdf へのリンク)をご参照下さい。

【主な改正点】
下記の3項目については、注目すべき改正点だと思われます。
① 個人型DCについて、国民年金第3号被保険者(被扶養配偶者)、企業年金加入者、公務員も加入可能になったこと。→平成29年1月1日から施行済
② 従業員100人以下の中小企業に限り、個人型DCに加入する従業員の拠出に追加して、事業主拠出を可能とする「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」が創設されたこと。→平成30年5月1日から施行済
なお、この中小企業向け制度(「iDeCoプラス」と言います)の対象範囲(従業員規模)については、その拡大化が図られ、現行100人以下から300人以下となります、施行予定日は令和4年4月1日です。


また、企業型DCで、中小企業向けにその設立手続きを簡素化した「簡易型DC」がありますが、その対象範囲(従業員規模)については、現行は100人以下ですが、やはり、それを300人以下に拡大化される予定です。施行予定日は公布日から6箇月以内です。
③ 個人型DCの拠出規制単位を月単位から年単位にすること。これによって、例えば、会社員等が支給を受ける賞与からの一括納付や拠出限度額の範囲内で、賞与支給時に、拠出限度額の使い残し分の一括拠出などが可能となります。→平成30年1月1日から施行済

※ なお、②については、退職金制度が存在しないような零細な企業においては、退職金制度に代替するものとして、現従業員の定着率UPや新規採用に当たっての訴求力UPに繋がり、人材確保面においてインパクトがあるものと考えられます。

【年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律可決成立後の改正点について】
第201回通常国会において可決成立の運びとなる上記法律により、下記の諸点につき、改正される予定です。なお、詳細については、令和1年12月29日に開催された第10回社会保障審議会企業年金・個人年金部会において配布された「令和2年度税制改正に関する参考資料」の中から一部抜粋した資料を下部に示しますので、そこでご確認いただければ幸いです。特に、黄色で強調表示した部分についてはご注目いただきたいと思います。また、赤の下線部分は弊職において示したものです。

●確定拠出年金等の加入可能年齢の引き上げとその受給開始時期の選択肢の拡大化


●確定拠出年金の制度面・手続面での改善


【税制上のメリット】
個人型DCについては、下記の税制上のメリットも享受できます。
●掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、全額所得控除がなされることで所得税にとどまらず住民税についてもその負担軽減化が図られる。
●運用益は非課税となり、再投資されることで効率よく資金を増やせる。
●ただし、老後にお金を受け取る最終段階で所得税・住民税が課税されます。
●60歳以降(なお、法改正により、受給開始時期の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられる予定です。施行予定日は令和4年4月1日です)の給付を老齢給付金として一時金で受け取る場合は「退職所得」として他の所得とは別に課税される「分離課税」になります。その際には、収入金額から「退職所得控除」額を差し引いた上で、さらに、当該額の1/2が「退職所得」として把握されます。年金として受け取る場合は「公的年金等控除」という大きな控除が受けられ、税負担か少なくなり手取増が期待できる。
といったことが挙げられます。
 勤続年数が長いほど大きくなります。なお、勤続年数に1年未満の端数がある場合は、1年に切上げます。
・勤続年数が20年以下の場合➣400,000円×勤続年数
・勤続年数が20年超の場合➣8,000,000円+(700,000円×(勤続年数-20年))

【退職⾦に係る勤続年数と確定拠出年⾦(DC)の⼀時⾦に係る加入期間に、重複期間がある場合の退職所得の計算について】
企業等での勤務期間中、確定拠出年金(DC)に加入し、老後ために資産形成を計る方々も多いと思われます。その場合に、退職後の退職金はもちろんのこと、DCを一時金で受け取る場合についても、それらは「退職所得」として把握されます。そして、退職金の額及びDCの一時金の額とともに、勤続年数及び加入期間も「退職所得」を算出する当たって大きな影響を与えることになります。そこで、下部画像において示した3つの事例により、勤続年数と加入期間に重複期間がある場合の「退職所得」の算出過程を示してみたいと思います。是非、ご参考になさって下さい。



1.退職⾦とDCの⼀時⾦を同じ年に受給した場合(つまり、両方の収入額を合算した上で、退職所得を算出する場合)
この事例は、同じ年に退職⾦とDCの⼀時⾦を受給した場合で、「勤続年数」と「加⼊期間」を通して、一部「重複期間」があるものの、「勤続年数」の始期から「加入期間」の終期までを勤続年数としてカウントし、退職所得控除額を計算するものです。

2.退職⾦を受給した翌年以降にDCの⼀時⾦を受給した場合で、退職金において、その退職所得控除額をすべて使い切ったもの(つまり、退職金>退職所得控除額のケース)
この事例は、結局のところ、退職金において、その退職所得控除額をすべて使い切ってしまっていることから、翌年以降の分で、DCの一時金に係る退職所得控除額を算出する際には、その「加入期間(17年(16年9箇月))」から「重複期間(15年)」を控除後の2年をその勤続年数としてカウントし、退職所得控除額(40万円×2=800,000円)を計算するものです。つまり、「重複期間(15年)」に係る退職所得控除額(6,000,000円)は使えないということを意味しています。

3.退職⾦を受給した翌年以降にDCの⼀時⾦を受給した場合で、退職金において、その退職所得控除額をすべて使い切れなかったもの(つまり、退職金<退職所得控除額のケース)
この事例は、実際の勤続年数は43年(42年6箇月)ですが、その場合の退職所得控除額が24,100,000円であるのに、受給した退職金が20,000,000円ということで、算出された退職所得控除額をすべて使い切れなかったことから、実際に受給した退職金に見合う勤続年数(これを「みなし勤続年数」と言います)を算出し、その「みなし勤続年数」と「加入期間」との間で在する「重複期間」を割り出し、「加入期間」に係る退職所得控除額を計算するものです。「加入期間(17年(16年9箇月))」から、「みなし勤続年数(37年)」と「加入期間(17年)」との間に存する「(みなし)重複期間(10年)」を控除後の7年をその勤続年数としてカウントし、退職所得控除額(40万円×7=2,800,000円)を計算するものです。つまり、2.の事例と同じく、「(みなし)重複期間(10年)」に係る退職所得控除額(4,000,000円)は使えないということを意味しています。

4.結論
1.と2.との間では、これら事例に限れば、最終的な退職所得の部分ではさほどの差はない結果となっています。そして、3.の事例では、退職金<退職所得控除額ということから、退職金については、そもそも退職所得が発生せず、さらに、「みなし勤続年数」を算出し、それと「加入期間」との間で「重複期間」を割り出すことから、本来使えない「重複期間」に係る退職所得控除額で見ると、みなしの場合で40万円×10年=4,000,000となり、実際の場合の40万円×16年(15年6箇月)=6,400,000円よりも少なくなるということで、それは実際の場合に比し、退職所得控除額としては逆に増えることを意味し、結果としては、退職所得が少なくなるということになろうと考えられます。

※詳細は厚労省ホームページにおいて公開されている「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)のご案内」(27_2.pdf へのリンク)をご参照下さい。

【事業主による事務手続き】
従業員が個人型DCに加入する場合には、事業主による事務手続きが必要となりますが、それほど煩雑な作業を要することもなく取組める形になっています。
※詳細は厚労省ホームページにおいて公開されている「従業員がiDeCoに加入する場合に必要となる事業主による事務手続きについて」(27_3.pdf へのリンク)をご参照下さい。

【最後に】
拡大化された加入者範囲やそれぞれの拠出限度額等につき、下記に、弊職作成の図表を掲載してみましたので合わせてご参照下さい。なお、念のため、PDF(27_4.pdf へのリンク)も添付します。


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