育児・介護休業法の改正事項について


平成29年1月1日(施行)に改正されました事項及び同年10月1日(施行)に改正された事項等について、解説しています。ご確認下さい。

※「育児・介護休業法における制度の概要」(厚生労働省作成の「育児・介護休業法のあらまし」から抜粋したもの)(8_8.pdf へのリンク)において、平成29年1月1日施行分及び平成29年10月1日施行分については、それぞれの色分けにより強調表示していますので、ご参照下さい。また、それら以外についても、分かり易く区分した上で作成されていますので、合わせてご参照下さい。なお、赤の下線部分については、【小学校就学の始期に達するまでの子を養育又は家族を介護する労働者に関する措置について】の詳細部分です。ご参照下さい。

【育児・介護関係の改正事項等】平成29年1月1日施行平成29年10月1日施行
<育児休業制度>
(育児休業の定義)
労働者がその1歳(原則)に満たない子を養育するためにする休業のこと。
(育児休業の対象労働者)
①日々雇用される労働者を除く労働者
②有期契約労働者
なお、申出時点で、従来からあった取得要件である同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であることに加えて、子が1歳6ヶ月に(2歳までの休業の場合は2歳(ただし、平成29年10月1日施行))になるまでの間に、労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと(有期契約労働者の育児休業の取得要件緩和)
③労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が1年未満の労働者
・1年(1歳以降の休業の場合は、6ヶ月)以内に雇用関係が終了する労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働
(回数)
子1人につき、原則として1回(但し、子の出生日から8週間以内にした最初の育児休業は除く)。なお、保育所等に入所を希望しているのに入所できない場合等には、再度(つまり、延長)の育児休業取得が可。
(期間)
・原則として子が1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までの連続した期間。ただし、配偶者が育児休業をしているなどの場合には、子が1歳2ヶ月に達するまで出産日と産後休業期間と育児休業期間とを合計して1年以内の休業(パパ・ママ育休プラス)が可。
・子が1歳に達する日(子が1歳2ヶ月に達するまでの育児休業が可能である場合に、1歳を超えて育児休業をしている場合にはその休業終了予定日)において、いずれかの親が育児休業中であり、かつ、保育所等に入所を希望しているのに入所できない場合等の事情がある場合には、子が1歳6ヶ月(同様の条件で1歳6ヶ月から2歳(ただし、平成29年10月1日施行))に達するまで可。(下記図表参照)

※厚生労働省作成の「育児・介護休業法のあらまし」から抜粋したもの

(申出期間)
1ヶ月(ただし、1歳以降の休業の申出は2週間)前
<介護休業制度>
(介護休業の定義)
労働者がその要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期
間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族(同居・扶養の有無にかかわらず、配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫)を介護するためにする休業のこと。
(介護休業の対象労働者)
①日々雇用される労働者を除く労働者
②有期契約労働者
なお、申出時点で、従来からあった取得要件である同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であることに加え、介護休業を開始しようとする日(介護休業開始予定日)から93日経過日から6か月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと(有期契約労働者の介護休業の取得要件緩和)
③労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が1年未満の労働者
・93 日以内に雇用関係が終了する労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働
(回数や期間)
対象家族1人につき、3回を上限として、通算93日までの介護休業の分割取得可
(申出期間)
2週間前
<子の看護休暇>
半日(所定労働時間の1/2)単位の子の看護休暇(1年に5日(当該対象家族が2人以上の場合は10 日)まで、病気・けがをした子の看護又は子に予防接種・健康診断を受けさせるための休暇)の取得可
なお、所定労働時間が4時間以下の労働者については適用除外とし、1日単位とする。さらに、業務の性質や業務の実施体制に照らして、半日を単位として取得することが困難と認められる労働者についても、労使協定の締結により適用除外にでき、1日単位とする。また、同じく労使協定の締結により、所定労働時間の1/2以外を「半日」とすることも可(例えば、午前の3時間(9時~12時)、午後の5時間(13時~18時)。
(対象労働者)
①小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(日々雇用される労働者を除く)
②労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が6ヶ月未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
<介護休暇>
(内容)
半日(所定労働時間の1/2)単位の介護休暇(1年に5日(当該対象家族が2人以上の場合は10 日)まで、介護その他の世話を行うための休暇)の取得可
なお、所定労働時間が4時間以下の労働者については適用除外とし、1日単位とする。さらに、業務の性質や業務の実施体制に照らして、半日を単位として取得することが困難と認められる労働者についても、労使協定の締結により適用除外にでき、1日単位とする。また、同じく労使協定の締結により、所定労働時間の1/2以外を「半日」とすることも可(例えば、午前の3時間(9時~12時)、午後の5時間(13時~18時)。
(対象労働者)
①要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者(日々雇用される労働者を除く)
②労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が6ヶ月未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
<育児・介護休業制度以外の制度>
(育児に係る所定外労働を制限する制度)
●内容➣3歳に満たない子を養育する労働者がその子を養育するために請求した場合においては、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならない(つまり、残業の免除)。
●対象労働者➣
①3歳に満たない子を養育する労働者(日々雇用される労働者を除く)
②労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が1年未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
●回数や期間➣請求できる回数に制限なし。1回の請求につき、1ヶ月以上1年以内の期間。
●申出期間➣1ヶ月前
●例外➣事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒める。
(介護に係る所定外労働を制限する制度)
●内容➣要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその対象家族を介護するために請求した場合においては、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならない。
介護のための所定外労働の制限(つまり、残業の免除)で、要介護状態の対象家族1人につき、介護終了まで利用できるもの。(新設)
●対象労働者➣
①要介護状態にある対象家族を介護する労働者(日々雇用される労働者を除く)
②労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が1年未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
●回数や期間➣請求できる回数に制限なし。1回の請求につき、1ヶ月以上1年以内の期間。
●申出期間➣1ヶ月前
●例外➣事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒める。
(時間外労働を制限する制度)
●内容➣小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者が、その子を養育するため又はその対象家族を介護するために請求した場合においては、事業主は制限時間(1ヶ月24時間、1年150時間)を超えて労働させてはならない。
●対象労働者➣
①小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者
②除外できる労働者としては、
・日々雇用される労働者
・雇用された期間が1年未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
●回数や期間➣請求できる回数に制限なし。1回の請求につき、1ヶ月以上1年以内の期間。
●申出期間➣1ヶ月前
●例外➣事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒める。
(深夜業を制限する制度)
●内容➣小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者が、その子を養育するため又はその対象家族を介護するために請求した場合においては、事業主は午後10時から午前5時において労働させてはならない。
●対象労働者➣
①小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者
②除外できる労働者としては、
・日々雇用される労働者
・雇用された期間が1年未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
・介護ができる同居の家族がいる労働者
・所定労働時間の全部が深夜にある労働者
●回数や期間➣請求できる回数に制限なし。1回の請求につき、1ヶ月以上6ヶ月以内の期間。
●申出期間➣1ヶ月前
●例外➣事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒める。
<介護に係る所定労働時間の短縮措置等>
●内容等➣介護休業とは別に介護のための所定労働時間の短縮措置等(*1)(*2)を利用開始から3年間で2回以上利用可
●対象労働者➣
①要介護状態にある対象家族を介護する労働者(日々雇用される労働者を除く)
②労使協定の締結により除外できる労働者としては、
・雇用された期間が1年未満の労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
*1 事業主が下記①から④のうちいずれか一つを選択することが義務(選択的措置義務)付けられました。
①週又は月の介護のための所定労働時間の短縮措置(短時間勤務)
②フレックスタイム制度(1ヶ月(但し、今般の「働き方改革関連法」により、平成31年4月1日からは、3ヶ月)以内の清算期間における総労働時間数(当該期間の法定労働時間の総枠の範囲内)につき、始業・終業の時刻を労働者の自由選択に委ねる旨を就業規則等に定め、さらに労使協定の締結を要件として実施する制度)
③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤制度)
④介護サービスを利用する場合の労働者が負担する費用の助成制度等
*2 介護のための所定労働時間の短縮措置は、介護休業とは別に、事業主に課した選択的措置義務のうちのひとつとして規定されているものです。一方、下記の(小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置の場合)の③④に記載しているように、育児に係る所定労働時間の短縮措置は3歳に満たない子を養育する労働者を対象とし、言わば、独立した措置(義務)として規定されているものです。

【育児関係の改正事項】平成29年1月1日施行
育児休業等の対象となる子の範囲拡大(特別養子縁組の監護期間中の子や養子縁組里親に委託されている子等も含める)

【介護・育児関係の共通の改正事項】平成29年1月1日施行
●妊娠・出産・育児休業・介護休業等をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境を害する⾏為を防⽌するための雇⽤管理上必要な措置を事業主に義務付ける(従来からのそれらを理由とした「不利益取扱いの禁止」に加えて当該「防止措置義務」の新設)➣派遣先で就業する派遣労働者については、これらにつき、派遣先に対しても、派遣先を事業主とみなして適用する。

なお、詳細については下記別紙参照願いたい。
※ 改正育児・介護休業法及び改正男女雇用機会均等法の概要(平成29年1月1日施行)(8_1.pdf へのリンク)
※育児・介護休業等に関する規則の規定例(平成29年1月1日施行分を反映したもの)(8_2.pdf へのリンク)

【余談】
育児に関しては、昨今からの、希望しても認可保育所に入れない「待機児童」問題について、厚労省がその定義を見直したということが報じられました。基本的に、「待機児童」として扱わないとされている①特定の保育所のみの希望②求職活動の休止②自治体が独自に補助する認可外保育施設の利用といった以外に、自治体によってその扱いにつきばらつきがあった「育児休業中」の場合を「待機児童」としてカウントするのか否かという部分については、入所後の復職意思が確認できることを前提に、「待機児童」に含めることとした。新定義が決まったことは一歩前進と言えるが・・・。

【育児関係の改正事項】平成29年10月1日施行
前置きが長くなりましたが、その「育児休業」に関しては、平成29年10月1日に改正された内容について、その概要を解説します。
●保育所に入れない等の理由で離職する等雇用継続に支障が出る事態を防止するために、保育所に入れるまでは育児休業を取得できるように措置する。具体的には、
育児休業期間は原則、子が1歳に達するまでですが、例外的に子が1歳6ヶ月に達するまで延長することができる制度があります。ただ、延長しても保育所に入れない場合には、その時点での再申請を条件に、さらに、当該期間を最長2歳まで再延長できることになります。なお、この再延長に合わせ、雇用保険法の「育児休業給付」についても延長されることになります。

※育児休業等期間延長申請時必要書類(参考)(神戸市の場合)(8_3.pdf へのリンク)
※育児休業給付金の支給期間が2歳まで延長(平成29年10月~)(8_4.pdf へのリンク)
※育児休業期間の延長(平成29年10月1日施行)(8_5.pdf へのリンク)
※育児・介護休業等に関する規則の規定例(平成29年10月1日施行)(簡易版)(8_6.pdf へのリンク)
事業主に対し、小学校就学前の子を養育する労働者のために、配偶者出産休暇等の育児目的休暇制度の制定に努めるよう義務付けるものとしています。(努力義務)

【介護・育児関係の共通の改正事項】平成29年10月1日施行
●また、一部には、職場環境として育児休業を取得しづらい雰囲気に置かれた者もいたとの調査結果も踏まえ、そのようなことで取得することを断念することがないよう、事業主に対し、労働者又はその家族が妊娠・出産したという事実が判明した場合及び労働者が介護していることを知った場合に備え、当該対象者に育児・介護休業の周知等をするための就業規則等の整備(育児・介護休業に関する制度(育児・介護休業中の待遇及び育児・介護休業後の賃金、配置その他の労働条件)及びその実際の周知を求めるものです。(努力義務)

※その他の改正事項(平成29年10月1日施行)(8_7.pdf へのリンク)

【小学校就学の始期に達するまでの子を養育又は家族を介護する労働者に関する措置について】
<小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置の場合>
①育児休業に関する制度➣最長2歳に達するまで延長可能
②所定外労働の制限に関する制度➣3歳に満たない子を養育する労働者を対象とするものについては義務
所定労働時間の短縮措置3歳に満たない子を養育する労働者を対象とするものについては義務
④上記③の所定労働時間の短縮措置が、業務の性質や業務の実施体制に照らして、当該措置を講ずることが困難と認められる労働者について、当該措置を講じないこととする場合に、次のいずれかの措置➣3歳に満たない子を養育する労働者を対象とするものについては義務
・育児休業に関する制度に準ずる措置
・フレックスタイム制度(上記但書をご参照下さい)
・始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤制度)
・事業所内保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

これら①~④までの制度や措置等については、延長可能が最長2歳に達するまでであったり、3歳に満たない子を養育する労働者を対象とするものについては義務とされているところですが、さらに踏み込んで、その延長可能を小学校就学の始期に達するまでとしたり小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者についても、当該制度や措置等に準じて、必要な制度や措置等を講ずるよう努力義務が課されています。
<家族を介護する労働者に関する措置の場合>
家族を介護する労働者について、介護休業制度又は所定労働時間の短縮等の措置に準じて、その介護を必要とする期間や回数等に配慮した必要な措置を講ずるよう努力義務が課されています。

【育児・介護休業等に関する規則の規定例】
平成29年10月1日施行の改正事項については、一部、努力義務の部分もありますが、社内の規程を改定していく作業を要するところです。
育児・介護休業等に関する規則の規定例(厚生労働省ホームページにおいて公開されているもので、平成29年10月1日施行分を反映したものです)(詳細版)(Word)主なポイントについて、コメント欄を設け、弊職において注釈を入れています。ご参照下さい。

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