年金受給に関する基本的な事項について


令和1年11月18日更新

【公的年金等控除額の見直しについて】
最初から、税金絡みで恐縮ですが、令和2(2020)年分以後において、大きな改正が予定されていますので、その概要について確認しておきたいと思います。
・先ずは、公的年金等控除額が一律10万円引き下げられることになります。詳細は別紙(PDF)(5_3_1_4.pdf へのリンク)をご参照下さい。
・次に、従来は、公的年金等の収入がいくら増えても、控除額に上限がありませんでした。
例えば、
65歳未満でも65歳以上でも770万円超の公的年金等の収入がある場合の控除額
 780万円×5%+1,55,000円=1,9450,000円
 1,010万円×5%+1,550,000円=2,060,000円 といった具合にどんどん増えていきます。余談ですが、、公的年金だけでは、ここまでの収入になることはなかなか考え難く、というのも、その算定ベースとなる標準報酬月額は620,000円で頭打ちで、標準賞与額に関しても1月当りの上限額が1,500,000円とされており、いくら収入が多くても、年金額には限度があるからです。しかし、公的年金ということからも分かるように、公的年金以外に、厚生年金基金、国民年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等の老齢給付としての年金も含まれることから、それらも含めると770万円超もあながち現実的ではないとは言えないのかもしれません。
・しかし、令和2(2020)年分以後において、1,000万円超の公的年金等の収入につき、上限設定がなされることになりました。つまり、1,955,000円(ただし、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合。同1,000万円超2,000万円以下の場合は1,855,000円、同2,000万円超の場合は1,755,000円)になりました。
・逆に、下限設定(つまり、最低保障額)としては、
65歳未満の場合(現行70万円)公的年金等の収入が130万円以下の場合には、60万円(ただし、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合。同1,000万円超2,000万円以下の場合は50万円、同2,000万円超の場合は40万円)になりました。
65歳以上の場合(現行120万円)公的年金等の収入が330万円以下の場合には、110万円(ただし、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合。同1,000万円超2,000万円以下の場合は100万円、同2,000万円超の場合は90万円)になりました。

【年金に係る源泉徴収額(所得税及び復興特別所得税)について】(5_3_1_5.pdf へのリンク)
やはり、税金絡みで恐縮ですが、令和2(2020)年分以後において、大きな改正が予定されていますので、その概要について確認しておきたいと思います。
<扶養親族等申告書を提出した場合>
(年金支給額-社会保険料*1各種控除額)×5.105%=源泉徴収税額
年金支給は原則として2箇月ごとになるので、2箇月ごとに源泉徴収税額が徴収されることになります。その際は、各種控除額は下記の各1箇月当たり月割控除額をもって計算されることになります。

(年金受給者本人の公的年金等控除及び基礎控除)
・65歳未満の方の場合
1箇月当たりの年金支給額×25%+65,000円(最低保障額は90,000円)
年金支給額が1,200,000円以下の場合は最低保障額90,000円になります。
・65歳以上の方の場合
1箇月当たりの年金支給額×25%+65,000円(最低保障額は135,000円)
年金支給額が3,360,000円以下の場合は最低保障額135,000円になります。
(控除対象配偶者がいる場合の一般控除対象配偶者控除又は老人控除対象配偶者控除)
32,500円又は40,000円
(控除対象扶養親族がいる場合の一般控除対象扶養親族(16歳以上)控除、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)控除又は老人扶養親族(70歳以上)控除)
32,500円、52,500円又は40,000円
(年金受給者本人、同一生計配偶者、扶養親族が障害者の場合の障害者控除、特別障害者控除又は同居特別障害者控除)
22,500円、35,000円又は62,500円
(年金受給者本人が寡婦、特別寡婦又は寡夫の場合の寡婦控除、特別寡婦控除又は寡夫控除)
22,500円、30,000円又は22,500円

[控除対象配偶者等の定義に係る図表]


(例えば)
65歳以上の場合で年金支給額3,000,000円の場合で一般控除対象配偶者と一般控除対象扶養親族がいる場合(社会保険料控除は考慮しないものとします)
・公的年金等控除及び基礎控除
3,000,000円/12×25%+65,000円=127,500円<135,000円なので、135,000円
・一般控除対象配偶者控除
32,500円
・一般控除対象扶養親族控除
32,500円

●1箇月分の年金支給額➣3,000,000円×1/12=250,000円
●課税対象額➣<250,000円-(135,000円+32,500円+32,500円)>×2箇月=100,000円
●2箇月分の源泉徴収税額(1円未満切捨て)➣100,000円×5.105%=5,105円となります。

<扶養親族等申告書を提出していない場合>
(年金支給額-社会保険料*1控除額*2)×5.105%*3=源泉徴収税額
この場合には、社会保険料控除*1、公的年金等控除及び基礎控除*2のみの控除となりますので、これら以外に各種控除がある場合には、源泉徴収税額が高くなります。

(年金受給者本人の公的年金等控除及び基礎控除)
・65歳未満の方の場合
1箇月当たりの年金支給額×25%+65,000円(最低保障額は90,000円)
年金支給額が1,200,000円以下の場合は最低保障額90,000円になります。
・65歳以上の方の場合
1箇月当たりの年金支給額×25%+65,000円(最低保障額は135,000円)
年金支給額が3,360,000円以下の場合は最低保障額135,000円になります。

(例えば)
65歳以上の場合で年金支給額3,000,000円の場合で一般控除対象配偶者と一般控除対象扶養親族がいる場合(社会保険料控除は考慮しないものとします)
・公的年金等控除及び基礎控除➣これらの控除のみとなります
3,000,000円/12×25%+65,000円=127,500円<135,000円なので、135,000円

●1箇月分の年金支給額➣3,000,000円×1/12=250,000円
●課税対象額➣(250,000円-135,000円)>×2箇月=230,000円
●2箇月分の源泉徴収税額(1円未満切捨て)➣230,000円×5.105%≒11,741円となります。

*1
 年金から「特別徴収」された国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の合計額です。従って、何らかの事情により、「普通徴収」された社会保険料がある場合には、確定申告をして源泉徴収税額の一部につき還付を受ける必要があろうかと思います。
*2 当該控除額については、令和2年1月1日以後に支給されるべき公的年金等について適用されるもので、その前においては、当該控除額の控除はそもそも認められていません。
*3 税率については、扶養親族等申告書の提出の有無に関わらず、5.105%で統一されることになります。従って、社会保険料控除、公的年金等控除及び基礎控除以外の各種控除を受けないということであれば、扶養親族等申告書の提出は要しないものとされます。

<扶養親族等申告書を提出の有無に関わらず>
退職共済年金(現 第2号・第3号・第4号厚生年金保険被保険者)の受給者で65歳以上の場合には、源泉徴収税額の算出方法が変更になり、(各種)控除額からは政令で定める一定の額(47,500円/月)が差し引かれることになります。

(例えば)
一般控除対象配偶者と一般控除対象扶養親族がいる場合で扶養親族等申告書を提出し、年金支給1,500,000円の場合(社会保険料控除は考慮しないものとします)
・公的年金等控除及び基礎控除
1,500,000円/12×25%+65,000円=96,250円<135,000円なので、135,000円
・一般控除対象配偶者控除
32,500円
・一般控除対象扶養親族控除
32,500円

●1箇月分の年金支給額➣1,500,000円×1/12=125,000円
●課税対象額➣<125,000円-(135,000円+32,500円+32,500円-47,500円)>×2箇月=▲55,000円
●2箇月分の源泉徴収税額(1円未満切捨て)➣0円

(例えば)
一般控除対象配偶者と一般控除対象扶養親族がいる場合で扶養親族等申告書を提出せず、年金支給1,500,000円の場合(社会保険料控除は考慮しないものとします)
・公的年金等控除及び基礎控除➣これらの控除のみとなります
1,500,000円/12×25%+65,000円=96,250円<135,000円なので、135,000円

●1箇月分の年金支給額➣1,500,000円×1/12=125,000円
●課税対象額➣<125,000円-(135,000円-47,500円)>×2箇月=75,000円
●2箇月分の源泉徴収税額(1円未満切捨て)➣75,000円×5.105%≒3,828円となります。

【被保険者期間】
国民年金においても、厚生年金保険においても、月を単位とする「被保険者期間」というものがあります。被保険者の資格を取得した日の属する月から、その資格を喪失した日の属する月の前月までを被保険者期間に算入することになります。老齢基礎年金*1、老齢厚生年金*2、障害厚生年金、遺族厚生年金の年金額を算出するに当たって重要な要素になっています。
*1 ただし、老齢基礎年金の被保険者期間の中には、保険料納付済期間(当該期間が480箇月あれば、満額の老齢基礎年金(平成30年度779,300円・平成31年度780,100円)が支給されます*3)だけでなく、保険料免除期間もあり、その月数がそのまま年金額に反映されるわけではありません。
*2 特別支給の老齢厚生年金の「定額部分(原則として、65歳から支給される老齢基礎年金に相当するものです)」に関しては、その月数に上限(480箇月)が設定されています。
*3 保険料納付済期間以外に保険料免除期間があって、満額に届かない場合には、国民年金の任意加入被保険者として60歳から65歳までの間に保険料を納付する方法や保険料免除期間の免除された部分の保険料(例えば、保険料3/4免除期間(国庫負担部分である1/2を除き、残り1/2の1/4、つまり全体の1/8の部分は納付することが絶対条件))であれば、同じく残り1/2の3/4、つまり全体の3/8の部分を追納する(ただし、追納の承認の日の属する月前10年以内に限る)方法をもって、満額に近づけることも可能になっています。なお、これらの方法をもって行うことで、保険料納付済期間・保険料免除期間の月数、任意加入被保険者として納付した月数の合計月数が480箇月を超えてしまうことがあり、その場合には、超えた部分は国庫負担がなくなり、年金額への反映割合は低くなってしまうことがあることにはご留意下さい。詳細については、こちら(Excel)をご参照下さい。

(代表的な事例)
●国民年金の第1号被保険者・第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)は20歳に達した日(被保険者資格取得日)の属する月から60歳に達した日(被保険者資格喪失日)の属する月の前月まての期間が被保険者期間になります。
20歳に達した日➣20歳の誕生日の前日を言います。従って、1日生まれの者はその前日(前月の末日)に20歳に達したことになり、資格取得月は誕生日の属する月の前月ということになります。
60歳に達した日➣60歳の誕生日の前日を言います。従って、1日生まれの者はその前日(前月の末日)に60歳に達したことになり、資格喪失月は誕生日の属する月の前々月ということになります。
●厚生年金保険では、会社に採用された日(被保険者資格取得日)の属する月から退職した日の翌日(被保険者資格喪失日)の属する月の前月までの期間が被保険者期間になります。従って、月末日での退職であれば、翌日の1日付での被保険者資格喪失になりますので、退職月までが被保険者期間になります。国民年金で言うと、第2号被保険者が該当します。第2号被保険者の場合は原則として、年齢要件はありませんので、20歳未満でも60歳以上でも被保険者になります。ただし、老齢基礎年金の受給資格期間を算定する場合においては「合算対象期間」になり、受給資格期間には算入されるものの、年金額には反映されないことになります。ただし、障害給付(障害基礎年金・障害厚生年金)や遺族給付(遺族基礎年金・遺族厚生年金)において問われる「保険料納付要件*4」において例外措置*5が施されています。
*4 保険料納付要件の定義
原則➣初診日(遺族給付においては死亡日に読み替えます)の前日において、初診日(同)の属する月の前々月までに被保険者期間がある場合に、その被保険者期間のうち保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が2/3以上あることが必要とされています。
特例➣令和8年4月1日前の初診日(同)(同日において65歳未満の者に限ります)で、初診日(同)の前日において、初診日(同)の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料未納期間がなければ、保険料納付要件を満たすことになります。

ただし、遺族給付における「長期要件」に該当する場合で、遺族基礎年金においては老齢基礎年金の受給権者(原則として、25年以上の受給資格期間を満たした者)及び老齢基礎年金の受給資格期間(原則として、25年以上)を満たした者、遺族厚生年金においては老齢厚生年金の受給権(同上)及び老齢厚生年金の受給資格期間(同上)を満たした者、さらに、遺族厚生年金における「短期要件」に該当する場合のうち1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者については、保険料納付要件は問われません。
*5 上記保険料納付要件にある保険料納付済期間の中には、国民年金第2号被保険者としての期間のうち、老齢基礎年金においては合算対象期間とされている20歳前と60歳以上の期間は保険料納付済期間として扱われています。

【受給権取得日及び年金支給期間について】
老齢基礎年金➣下記①から③の要件を満たせば、法律上当然に受給権が発生します。
①保険料納付済期間と保険料免除期間(学生納付特例及び若年者納付猶予による期間は除く)があること
②受給資格期間(保険料納付済期間、保険料免除期間(学生納付特例及び若年者納付猶予による期間を含む)、合算対象期間とを合算した期間)が10年以上あること
③65歳に達したこと(つまり、65歳の誕生日の前日)
<支給期間>
受給権が発生した日の属する月の翌月から受給権が消滅した日(死亡日)の属する月まで


特別支給の老齢厚生年金➣下記①から③の要件を満たし、「年金請求手続」(5_3_1_3.pdf へのリンク)を行えば、それぞれの支給開始年齢に達していることで受給権が発生します。
①60歳以上であること(下記図表をご参照下さい)*6
②1年以上の厚生年金保険の被保険者期間を有すること
③老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たすこと
*6 平成31年3月31日現在で見ると、昭和32年4月1日生まれの男子は平成31年3月31日に62歳に達しますので、62歳からの「報酬比例部分のみ」の老齢厚生年金の受給権が発生することになります。
<支給期間>
受給権が発生した日の属する月の翌月から受給権が消滅した日(死亡日及び65歳に達した日)の属する月まで


原則支給の老齢厚生年金➣下記①から③の要件を満たし、「年金請求手続」(5_3_1_3.pdf へのリンク)を行えば、65歳に達していることで受給権が発生します。
①65歳以上であること(下記図表をご参照下さい)
②1箇月以上の厚生年金保険の被保険者期間を有すること
③老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たすこと
<支給期間>
受給権が発生した日の属する月の翌月から受給権が消滅した日(死亡日)の属する月まで




原則の障害基礎年金➣下記①から③の要件を満たせば、法律上当然に、受給権が発生します。ただ、通常は障害認定日に受給権が発生。従って、請求が遅れても、消滅時効(5年)にかからない限り、遡及して支給されます。
①初診日要件➣障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日のこと。なお、例えば、糖尿病の三大合併症のひとつとされている糖尿病腎症で人口透析を受けたとしても、糖尿病腎症が糖尿病を誘因として発症している場合には、糖尿病腎症の誘因となる糖尿病についての初診日を特定する必要がありますので、注意が必要です。
※なお、初診日を明らかにするために使用する証明書として、下記2種類があります。
受診状況等証明書(5_3_1_6.pdf へのリンク)
受診状況等証明書が添付できない申立書(5_3_1_7.pdf へのリンク)

さらに、下記のいずれかに該当していることが必要です。
・国民年金の被保険者であること。
・同じく被保険者であった者で、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること
②障害認定日要件➣下記のいずれかの日に1級又は2級の障害等級に該当すること
・初診日から起算して1年6箇月経過した日(例えば、初診日が平成31年3月5日であれば、令和2年9月5日になります)
・1年6箇月以内に治った場合はその治った日(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日も含みます)
 なお、特例(主なもの)があり、
・人工透析を開始した場合➣当該日から起算して3箇月経過した日
・心臓ペースメーカー・人工弁を装着した日➣当該日
・人工肛門を造設した場合又は尿路変更術を施した場合➣当該日から起算して6箇月経過した日
・新膀胱を造設した場合➣当該日
等々
③保険料納付要件➣上記の通りです。
<支給期間>
受給権が発生した日(通常、障害認定日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで

 なお、ここでは詳細な説明は割愛しますが、原則の障害基礎年金以外に、
事後重症による障害基礎年金➣当初の障害認定日において1級又は2級に不該当であっても、その後、障害の程度が重くなって、65歳に達する日の前日(つまり、65歳の誕生日の前々日)までに同一の傷病により1級又は2級に該当した場合には、当該日までに請求して初めて受給権が発生します。
<支給期間>
受給権が発生した日(つまり、請求があった日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


基準障害による障害基礎年金➣先発の傷病がある者で、その障害認定日において1級又は2級に該当しない場合で、さらに、別の傷病(これを「基準傷病(これについての初診日要件と保険料納付要件が必要になります)」と言います)が発生して、その基準傷病の障害認定日以後65歳に達する日の前日(同)までに、それらの障害が併合されることで初めて1級又は2級に該当した場合には、当然に受給権が発生します。ただし、請求(65歳に達した日以後でも可)は必要になります。従って、請求が遅れても、遡及して支給されません。
<支給期間>
請求があった日の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


20歳前の傷病による障害基礎年金(A当然支給型・B事後重症型)➣国民年金の被保険者になる前の傷病により障害を負った場合に福祉的に支給される障害基礎年金のことで、2つの型があります。いずれも、初診日要件と保険料納付要件は問われません。初診日において国民年金の被保険者ではないからです。ただし、第2号被保険者に関しては、20歳前から被保険者になることができますので、当該障害基礎年金ではなく、上記した原則の障害基礎年金が適用されることになります。
A 初診日に20歳未満であった者が20歳に達した日又は障害認定日、いずれか遅い方の日において、1級又は2級に該当した場合には、当該日に受給権が発生します。従って、請求が遅れても、消滅時効(5年)にかからない限り、遡及して支給されます。
<支給期間>
受給権が発生した日の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


B 初診日に20歳未満であった者が20歳に達した日又は障害認定日、いずれか遅い方の日において1級又は2級に不該当であっても、その後、障害の程度が重くなって、65歳に達する日の前日(同)までに同一の傷病により1級又は2級に該当した場合には、当該日までに請求して初めて受給権が発生します。
などがあります。
<支給期間>
受給権が発生した日(つまり、請求があった日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


原則の障害厚生年金➣下記①から③の要件を満たせば、法律上当然に、障害認定日に受給権が発生します。従って、請求が遅れても、消滅時効(5年)にかからない限り、遡及して支給されます。
①初診日要件➣障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日のこと。なお、例えば、糖尿病の三大合併症のひとつとされている糖尿病腎症で人口透析を受けたとしても、糖尿病腎症が糖尿病を誘因として発症している場合には、糖尿病腎症の誘因となる糖尿病についての初診日を特定する必要がありますので、注意が必要です。

さらに、下記に該当していることが必要です。
・厚生年金保険の被保険者であること。
②障害認定日要件➣下記のいずれかの日に1級、2級又は3級の障害等級に該当すること
・初診日から起算して1年6箇月経過した日(初診日が平成31年3月5日であれば、令和2年9月5日になります)
・1年6箇月以内に治った場合はその治った日(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日も含みます)
 なお、特例(主なもの)があり、
・人工透析を開始した場合➣当該日から起算して3箇月経過した日
・心臓ペースメーカー・人工弁を装着した日➣当該日
・人工肛門を造設した場合又は尿路変更術を施した場合➣当該日から起算して6箇月経過した日
・新膀胱を造設した場合➣当該日
等々
③保険料納付要件➣上記の通りです。
<支給期間>
受給権が発生した日(つまり、障害認定日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


 なお、ここでは詳細な説明は割愛しますが、原則の障害厚生年金以外に、
・事後重症による障害厚生年金➣当初の障害認定日において1級、2級又は3級に不該当であっても、その後、障害の程度が重くなって、65歳に達する日の前日(同)までに同一の傷病により1級、2級又は3級に該当した場合には、当該日までに請求して初めて受給権が発生します。なお、障害等級3級に該当し、障害厚生年金を受給している者が障害の程度が重くなり障害等級2級に該当した場合には、障害厚生年金の額の改定がなされることになりますが、同時に、それは事後重症の障害基礎年金にも該当することになります。この場合には、当該受給権者からの請求がなくても、事後重症の障害基礎年金の請求があったとみなされるとされています。
<支給期間>
受給権が発生した日(つまり、請求があった日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


・基準障害による障害厚生年金➣先発の傷病がある者で、その障害認定日において1級又は2級に該当しない場合で、さらに、別の傷病(これを「基準傷病(これについての初診日要件と保険料納付要件が必要になります)」と言います)が発生して、その基準傷病の障害認定日以後65歳に達する日の前日(同)までに、それらの障害が併合されることで初めて1級又は2級に該当した場合には、当然に受給権が発生します。ただし、請求(65歳に達した日以後でも可)は必要になります。従って、請求が遅れても、遡及して支給されません。
<支給期間>
請求があった日の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、死亡日)の属する月まで


遺族基礎年金➣支給要件等については、下記の各ページにおいて記載しておりますので、ご参照下さい。なお、遺族に受給権が発生するのは死亡日になります。死亡した者に係る被保険者資格の喪失日自体は死亡日の翌日になります。
<支給期間>
受給権が発生した日(つまり、本人の死亡日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、遺族の死亡日)の属する月まで


※ 年金受給資格期間短縮に伴う変更点等について
※ 遺族基礎・厚生年金の「遺族の要件」や「年金額」等について

遺族厚生年金➣支給要件等については、上記の各ページにおいて記載しておりますので、ご参照下さい。なお、遺族に受給権が発生するのは死亡日になります。死亡した者に係る被保険者資格の喪失日自体は死亡日の翌日になります。従って、年金額の算出における被保険者期間の計算は死亡日の翌日が属する月の前月までとなります。
<支給期間>
受給権が発生した日(つまり、本人の死亡日)の属する月の翌月から受給権が消滅した日(例えば、遺族の死亡日)の属する月まで


未支給年金について➣死亡した者本人の死亡が月初であろうが、月末であろうが、死亡月までは、死亡した者自身に支給されていた年金(例えば、老齢基礎年金)が支給されることになりますので、「未支給年金*7」というものが発生することになります。年金の支給というのは後払いであり、原則として、偶数月(の15日)にその前々月分と前月分が支給されることになっています。従って、例えば、死亡日が4月10日(支給日前)であれば、未支給年金としては2月分と3月分に加えて4月分も含まれ、死亡日が4月25日(支給日後)であれば、未支給年金としては4月分のみになるわけです。ただ、前者について言えば、4月10日の死亡の場合、仮に、すぐに「年金受給者死亡届(報告書)」を日本年金機構宛提出しても、日本年金機構からの死亡した者本人指定の振込口座への振込が止められず振込が実行されてしまう場合があります。しかし、それでもやはり、これは未支給年金となります。従って、この振り込まれてしまった2月分と3月分については、この未支給年金を受けるべき者に優先して支給されることになります。つまり、遺産相続の対象ではないからです。
また、当該未支給年金は相続財産にはならず遺産相続の対象にはならない(平成7年11月7日最高裁判決(事件番号平成3(行ツ)212)において、「国民年金法第19条(未支給年金)は、相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付の支給を認めたものであり、死亡した受給権者が有していた年金給付に係る請求権が同条の規定を離れて別途相続の対象となるものでないことは明らかである」と判示しています)とされています。ただ、未支給年金を受け取った遺族にとっては、それは所得税の対象(一時所得)になります。ただし、年間50万円までは非課税とのことです。
なお、未支給年金を請求できる遺族としては、死亡した者と生計を同じくしていた①配偶者②子③父母④孫⑤祖父母⑥兄弟姉妹、⑦①から⑥以外の三親等内の親族です。優先順位は①から⑦の順序になります。
*7 この中には、年金の受給権がありながら、請求しないまま死亡した場合も含まれています。
※ 未支給年金・未支払給付金*8請求書及び受給権者死亡届(報告書)について(5_3_1_2.pdf へのリンク)
*8 令和1年10月1日からの「年金生活者支援給付金」に係る分です。

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