改正労働者派遣法 派遣労働者の待遇決定方式(労使協定方式)について


令和2年8月25日更新

令和2年1月14日に厚生労働省ホームページにおいて公表された労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定(イメージ) (hatarakikatakaikaku_78.pdf へのリンク)のフォーマットを下記に転写し参照しながら、労使協定方式の考え方等について注釈、(補充)解説等していきたいと思います。弊職による注釈、(補充)解説等の部分は青色で強調表示しています。
これは、厚生労働省ホームページにある特設ページ「派遣労働者の同一労働同一賃金について」の中に掲載されているものです。
また、当該特設ページには、「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表(派遣元事業主用【労使協定方式】)」が掲載(令和2年7月29日)されています。ご活用下さい。


〇〇人材サービス株式会社と○○人材サービス労働組合は、労働者派遣法第30条の4第1項(hatarakikatakaikaku_63.pdf へのリンク)の規定に関し、次のとおり協定する。

(対象となる派遣労働者の範囲)←第1(労働者派遣法第30条の4第1項に規定された各号のひとつのことです。以下同じ)「適用される派遣労働者の範囲」+第6号(同)「その他厚生労働省令※1で定める事項」の一部
第1条 本協定は、派遣先でプログラマーの業務に従事する従業員(以下「対象従業員」という)に適用する。
2 対象従業員(これを「協定対象派遣労働者」と言います)については、派遣先が変更される頻度が高いことから、中長期的なキャリア形成を行い所得の不安定化を防ぐ等のため、本労使協定の対象とする。
3 ○○人材サービス株式会社は、対象従業員について、一の労働契約の契約期間中に、特段の事情がない限り、本協定の適用を除外しないものとする。
※1 改正後の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則(省令)」の第18条の2第3項第4号において、法第30条の4第1項の協定を締結している場合にあっては、協定対象派遣労働者の範囲を定めることとされています。

(賃金の構成)
第2条 対象従業員の賃金は、基本給、賞与、時間外労働手当、深夜・休日労働手当、通勤手当及び退職手当とする。

(賃金の決定方法)←第2号イ(同)「賃金の決定方法」
第3条
 対象従業員の基本給及び賞与の比較対象となる「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」は、次の各号に掲げる条件を満たした別表1の「2」のとおりとする。
(1)比較対象となる同種の業務に従事する一般の労働者の職種は、「平成○○年○月○日職発第○○○○○号「労働者派遣法第30条の4第1項第2号イの同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額について(仮称)」」(以下「通達」という)※2に定める「平成○年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)※3の「プログラマー」とする。
※2 正式には、各都道府県労働局長宛に発出された令和元年7月8日職発0708第2号『令和2年度の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第30条の4第1項第2号イに定める「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」」等について』(これを「局長通達」といいます)となります。(hatarakikatakaikaku_64.pdf へのリンク)
※3 正式には、「平成30年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」(局長通達別添1)となります。(hatarakikatakaikaku_65.pdf へのリンク)
※ 次の①~③の場合には、その理由を労使協定に記載することを求める予定
① 職種ごとに賃金構造基本統計調査(局長通達別添1)と職業安定業務統計(局長通達別添2)※4を使い分ける場合
② 職業安定業務統計(局長通達別添2)を用いる場合であって、次のように職業分類を使い分ける場合
・ 「大分類」と「当該大分類内の中分類又は小分類」
・ 「中分類」と「当該中分類内の小分類」
③ 局長通達で示したデータ以外の独自統計等(局長通達第5)を用いる場合
※4 当該労使協定においては、賃金構造基本統計調査を使用していますが、職業安定業務統計を使用してもいい。なお、この統計は、全国の公共職業安定所(ハローワーク)における職業紹介業務の実績を集計した業務統計で、ハローワークで受理した無期かつフルタイムの求人に係る求人賃金(月給)の下限額の平均を一定の計算方法(月額×12÷52÷40)で時給換算した上で、求人賃金(月給)には特別給与、つまり賞与が含まれていないことから、賞与相当分を含めるために、当該時給換算額に賃金構造基本統計調査から計算した賞与指数1.02(0年)を乗じ、一般基本給・賞与等の額として基準値(0年)を算出しています。
平成30年度職業安定業務統計の求人賃金を基準値として一般基本給・賞与等の額(時給換算)(局長通達別添2)はこちら(hatarakikatakaikaku_66.pdf へのリンク)から
(2)通勤手当については、基本給及び賞与とは分離し、第6条のとおりとする。
定額支給等で合算する場合は、第6条の「一般の労働者の通勤手当に相当する額※5と「同等以上」を確保する場合」の方法をとることにしているが、「一般通勤手当72円とならない場合の記載例」及びP10「退職金(退職金前払いの方法)や通勤手当を合算する場合の記載例」も参照。
※5 「一般の労働者の通勤手当に相当する額」とは、要するに、一般の労働者(派遣先の事業所その他派遣就業の場所の所在地を含む地域において派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者であって、当該派遣労働者と同程度の能力及び経験を有する者)の1時間当たりの通勤手当に相当する額をいい、これを「一般通勤手当」とし、当該額は72円となります。協定対象派遣労働者の通勤手当も当該額と同等以上を確保することが求められるわけです。ただし、協定対象派遣労働者に対し、通勤手当として、 派遣就業の場所と居住地の通勤距離や通勤方法に応じた実費が支給される場合には 、一般通勤手当と同等以上であるものとする(扱う)ことになります。
(3)地域調整については、就業地が北海道内に限られることから、通達に定める「地域指数」の「北海道」※6※7を用いるものとする。
※6 平成29(30)年度職業安定業務統計による地域指数(平成30年度については局長通達別添3)で「北海道」は0.917(0.92)となっています。(hatarakikatakaikaku_67.pdf へのリンク)(hatarakikatakaikaku_68.pdf へのリンク)
※7 一つの労使協定において、都道府県内の指数及び公共職業安定所管轄地域の指数を使い分ける場合には、その理由を労使協定に記載することとされています。例えば、大阪府内では大阪市北区(ハローワーク梅田管轄)内だけで、兵庫県内では神戸市灘区(ハローワーク灘管轄_指数106.3)内、尼崎市(ハローワーク尼崎管轄_指数104.2)内、加古川市(ハローワーク加古川管轄_指数100.4)内、明石市(ハローワーク明石管轄_指数102.4)内といった具合に、複数の府県の派遣先において就業を行う場合では、大阪市北区においては、ハローワーク梅田管轄地域の指数(110.9)だけを用い、兵庫県内では複数の市において就業を行うことから、兵庫県全体の指数(101.8)を用いることは差し支えないとされています。また、一つの労使協定において、複数の地域において就業することが想定され、複数の一般賃金との比較が必要な場合は、最も高い地域指数を乗じた一般賃金額と、協定対象派遣労働者の賃金額を比べる方法でも差し支えないとされています。上記例では、最も高いハローワーク梅田管轄地域の指数(110.9)を用いることになります。ただし、その際には、協定対象派遣労働者の賃金額は、すべての者がその額の水準(つまり、平成30年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)(局長通達別添1)にある「プログラマー(基準値0年)」で見ると、1,221円×1.109≒1,355円)以上であることが必要となるわけです。

(注) 本条に規定されている「同種の業務に従事する一般の労働者の賃金の額等」で、令和3年度に適用されるものについては、本来であれば、令和2年6月から7月までの間で提示されるべきものとされていますが、現時点では、新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響 の先行き等が明らかではないため、できるだけぎりぎりまで様子を見て提示することが必要との方向性(hatarakikatakaikaku_83.pdf へのリンク)が示され、今秋での提示が予定されています。例えば、令和3年度に適用されることになる「同種の業務に従事する一般の労働者の賃金の額等」は基本的には、平成31(令和元)年(度)の統計調査を活用することになります。

第4条 対象従業員の基本給及び賞与は、次の各号に掲げる条件を満たした別表2のとおりとする。
(1)別表1の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額以上であること
(2)別表2の各等級の職務と別表1の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額との対応関係は次のとおりとすること
Aランク:10年
Bランク:3年
Cランク:0年
※ 職務給において職務の等級と基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値とを対応させて比較する場合の一例である。
2 ○○人材サービス株式会社は、第9条の規定による対象従業員の勤務評価の結果、同じ職務の内容であったとしても、その経験の蓄積・能力の向上があると認められた場合には、基本給額の1~3%の範囲で能力手当を支払うこととする。
また、より高い等級の職務を遂行する能力があると認められた場合には、その能力に応じた派遣就業の機会を提示するように努めるものとする。←第2号ロ(同)「職務内容等の向上があった場合の賃金の改善」
※ 第2号ロ(同)「職務内容等の向上があった場合の賃金の改善」の内容には、上記の他にも様々な方法が考えられる。

第5条 対象従業員の時間外労働手当、深夜・休日労働手当は、社員就業規則第○条に準じて、法律の定めに従って支給する。

第6条 対象従業員の通勤手当は、通勤に要する実費に相当する額※8を支給する。
※8 定額支給や支給上限額を設定するということではなく、実費に相当する額を支給するということですので、その場合には、「一般通勤手当」と同等以上にする(扱う)とされていますので、問題なしということになります。ただ、定額支給や支給上限額を設定するといった場合で、協定対象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに換算した額が72円未満の場合、つまり、月額換算すると72円×8H×5日×52週/12箇月=12,480円となりますが、当該額未満の場合には、12,480円以上にする必要があるということになります。

【通勤手当の支給要件に「徒歩圏」を設けている場合の記載例】として
第6条 対象従業員の通勤手当は、通勤に要する実費に相当する額を支給する。ただし、交通機関等を利用しなければ通勤することが困難である従業員以外の従業員であって交通機関等を利用しないで徒歩により通勤するものとした場合の通勤距離(一般に利用しうる最短の経路の長さによる。)が片道2㎞未満であるものを除く。
なお、徒歩通勤者については、距離に関わらず、非課税扱い(自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当で、例えば、通勤距離が片道2㎞以上10㎞未満である場合については1箇月当たり4,200円までの支給ならば非課税になります。同じく2㎞未満ならば全額課税になります)の対象外になるとされていることから、当該記載例の意味するところは、2㎞以上の徒歩通勤者にも通勤手当を支給するが、ただし、給与所得として課税はするということだと思われます。
【「一般の労働者の通勤手当に相当する額と「同等以上」を確保する場合」の方法をとることにしているが、一般通勤手当72円とならない場合の記載例】として
第6条 通勤手当は、月額○千円を全対象従業員に支給する。
2 一般通勤手当との差額については、通達第3の4に基づく合算による比較方法により対応するものとする。
これは通勤手当を定額支給(月額)にしている場合で、当該額を1時間当たりに換算して一般通勤手当の額である72円に満たない場合には、局長通達第3の4に基づく方法(次の表①あるいは③のうちいずれかの方法)、つまり、①においては、 「一般基本給・賞与等」+「一般通勤手当(72円)」「基本給・賞与・手当等」+「通勤手当」に、③においては、「一般基本給・賞与等」+「一般通勤手当(72 円)」+「一般退職金」「基本給・賞与・手当等」+「通勤手当」+「退職金」にしならなければならないということです。この場合(≦)には、協定対象派遣労働者の賃金にある「通勤手当」が何らの事情(定額支給や支給額に上限がある場合)により72円未満になっても構わないということだと考えます。
   一般賃金  協定対象派遣労働者の賃金
 ①  「一般基本給・賞与等」
+「一般通勤手当(72円)」
 「基本給・賞与・手当等」
+「通勤手当」
 ②  「一般基本給・賞与等」
+「一般退職金」
 「基本給・賞与・手当等」
+「退職金」
 ③  「一般基本給・賞与等」
+「一般通勤手当(72 円)」+「一般退職金」
 「基本給・賞与・手当等」
+「通勤手当」+「退職金」

第7条 対象従業員の退職手当の比較対象となる「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」は、次の各号に掲げる条件を満たした別表3のとおりとする。
(1)退職手当の受給に必要な最低勤続年数:
通達に定める「平成30年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)の「退職一時金受給のための最低勤続年数」※9において、最も回答割合の高かったもの(自己都合退職及び会社都合退職のいずれも3年)
※9 当該労使協定においては、「平成30年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)の「退職一時金受給のための最低勤続年数」を使用していますが、これ以外にも、「平成30年就労条件総合調査」(厚労省)の「退職一時金の受給に必要な最低勤続年数階級別企業数割合」「平成29年賃金事情等総合調査」(中央労働委員会)の「退職一時金受給資格付与に要する最低勤続年数」といったものがあります。
(2)退職時の勤続年数ごと(3年、5年、10年、15年、20年、25年、30年、33年)の支給月数:
「平成30年中小企業の賃金・退職金事情」の大学卒の場合の支給率(月数)※10に、同調査において退職手当制度があると回答した企業の割合をかけた数値として通達に定めるもの  
※10 当該労使協定においては、「平成30年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)の「モデル退職金」における「大卒(自己都合)・大卒(会社都合)それぞれの勤続年数別の支給月数」を使用していますが、これ以外にも、「平成29年賃金事情等総合調査」(中央労働委員会)の「退職事由、勤続年数別モデル退職金月収換算月数」における「大卒(総合職)事務・技術労働者の会社都合・自己都合それぞれの勤続年数別の支給月数」「2018年9月度退職金・年金に関する実態調査結果」(日本経済団体連合会)の「標準者退職金の支給月数」における「大卒(管理・事務・技術職)(会社都合)の勤続年数別の支給月数」といったものがあります。

なお、一般的な「退職手当制度」(①)とは別に、「退職金前払制度」(②)の導入や「中小企業退職金共済制度(独立行政法人勤労者退職金共済機構における中小企業退職金共済事業本部との間で退職金共済契約を締結する形)」(③)への加入といった方法をとる旨を労使協定として締結することも可能としています。
 協定対象派遣労働者と一般の労働者の退職手当制度を比較する場合で、一般退職金は、退職手当制度がある企業の割合退職手当の受給に必要な所要年数退職手当の支給月数退職手当の支給金額及び退職給付等の費用を示した局長通達別添4(hatarakikatakaikaku_79.pdf へのリンク)により一般の労働者の退職手当制度として設定したものとしています。
そして、協定対象派遣労働者を対象とする退職手当制度は、上記の一般の労働者の退職手当制度と同等以上の水準となるものでなければならないとされています。
 一般の労働者の退職金に相当する額と「同等以上」を確保する場合で、一般の労働者の現金給与額に占める退職給付等の費用(いわゆる、前払い退職金)の割合を一般基本給・賞与等に乗じた額を一般退職金とし、当該割合を「6%」としています。
そして、協定対象派遣労働者に支給される退職金相当の手当等に相当する賃金(いわゆる、前払い退職金)の額が一般退職金と同額以上(つまり、6%以上)でなければならないとされています。
 退職給付等の費用(つまり、同機構へ拠出する掛金)の割合を一般基本給・賞与等に乗じた額を一般退職金とし、当該割合を「6%」としています。
そして、協定対象派遣労働者につき、一般退職金の額以上(つまり、6%以上)の掛金(派遣元事業主負担分に限る)により、中小企業退職金共済制度に加入する場合には、協定対象派遣労働者の退職金が一般退職金と同等以上であるものとみなすとされています。

※ 一人の協定対象派遣労働者について、②及び③を併用することも可能とされており、それを示すものとして、下記条文が記載例として掲げられています。

【中小企業退職金共済制度等への加入の方法をとることにしているが、一般基本給・賞与等の額の6%の額とならない場合の記載例】
第7条 対象従業員の退職手当は、独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部との間に退職金共済契約を締結するものとする。
2 前項の掛金月額は、別表〇の一般基本給・賞与等の総額の4%の額以上となるようにし、支給方法などを含む詳細は退職金規則の定めによるものとする。

3 別表○の一般基本給・賞与等の額の6%の額と前項の掛金の額との差額については、退職金前払いの方法により対応するものとする。

3 別表○の一般基本給・賞与等の額の6%の額と掛金の額(4%)との差額については、通達第3の4に基づく合算による比較方法により対応するものとする。
局長通達第3の4に基づく方法(前掲の表②あるいは③のうちいずれかの方法)、つまり、②においては、 「一般基本給・賞与等」+「一般退職金」「基本給・賞与・手当等」+「退職金」に、③においては、「一般基本給・賞与等」+「一般通勤手当(72 円)」+「一般退職金」「基本給・賞与・手当等」+「通勤手当」+「退職金」にしならなければならないということです。この場合には、協定対象派遣労働者の賃金にある「退職金」が6%未満になっても構わないということだと考えます。

第8条 対象従業員の退職手当は、次の各号に掲げる条件を満たした別表4のとおりとする。ただし、退職手当制度を開始した平成○年以前の勤続年数の取扱いについては、労使で協議して別途定める。
(1)別表3に示したものと比べて、退職手当の受給に必要な最低勤続年数が同年数以下であること
(2)別表3に示したものと比べて、退職時の勤続年数ごとの退職手当の支給月数が同月数以上であること

※ 第7条と第8条に規定されているのは、「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(一般賃金)(法第30条の4第1項第2号イ)」と題する、その概要(令和元年8月20日更新)を説明した文書(hatarakikatakaikaku_75.pdf へのリンク)にある「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準及びそれと比較する派遣労働者の賃金(退職金の取扱い)」の「1.局長通達で示す方法を用いる場合」のうち選択肢1で示された内容となります。
選択肢2➣選択肢1において比較対象となる退職手当制度が派遣元にない場合で、派遣労働者の退職手当相当にかかる費用(「平成28年就労条件総合調査」(厚労省)によると、18,834円/月)について時給換算し、当該費用を派遣労働者の賃金に加算したものと、同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準に退職費用分(6%)を上乗せしたものとを比較する手法とされているものです。
選択肢3➣派遣労働者が派遣元が導入した中小企業退職金共済制度(確定給付企業年金や確定拠出年金等の掛金も含む)に(給与の6%以上で)加入している場合には、退職手当については同種の業務に従事する一般労働者と同等以上であるとする(扱う)もの。つまり、退職手当制度を代替できる制度を導入していればいい。


(賃金の決定に当たっての評価)←第3号(同)「賃金の決定に当たっての評価」
第9条
 賞与の決定は、半期ごとに行う勤務評価を活用する。勤務評価の方法は社員就業規則第○条に定める方法を準用し、その評価結果に基づき、別表2の備考1のとおり、賞与額を決定する。

(賃金以外の待遇)←第4号(同)「賃金以外の待遇」
第10条
 教育訓練(次条に定めるものを除く)、福利厚生その他の賃金以外の待遇については正社員と同一とし、社員就業規則第○条から第○条までの規定を準用する。

(教育訓練)←第5号(同)「教育訓練」
第11条
 労働者派遣法第30条の2に規定する教育訓練については、労働者派遣法に基づき別途定める「○○社教育訓練実施計画」に従って、着実に実施する。  

(その他)
第12条
 本協定に定めのない事項については、別途、労使で誠実に協議する。

(有効期間)←第6号(同)「その他厚生労働省令で定める事項」の一部
第13条
 本協定の有効期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日までの○年間とする。
※ 改正後の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則(省令)」の第18条の2第3項第4号において、法第30条の4第1項の協定を締結している場合にあっては、当該協定の有効期間の終期を定めることとされています。

平成○年○月○日

○○人材サービス株式会社 取締役人事部長  ○○○○ 印
○○人材サービス労働組合 執行委員長  ○○○○ 印

別表1 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額
(基本給及び賞与の関係)  

 

  基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値
0年 1年 2年 3年 5年 10年 20年
 能力・経験
調整指数
平成29年  100.0 116.3 124.9 132.6 140.7 162.5 201.6
 平成30年 100.0  116.0  126.9  131.9  138.8  163.5  204.0 
プログラマ ー ※1 通達に定める賃金構造基本統計調査   1,160
1,221
1,349
1,416
1,449
1,549
1,538
1,610
1,632
1,695
1,885
1,996
2,339
2,491
地域調 整 ※2 (北海道)
91.7
92.0  
1,064
1,124
1,238
1,303
1,329
1,426
1,411
1,482
1,497
1,560
1,729
1,837
2,145
2,292
注1:プログラマー行にある年数ごとの各欄の上段(下段)の数値は平成29(30)年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)(hatarakikatakaikaku_69.pdf へのリンク)です。なお、0年は基準値(0年)となります。参考までに、基準値(0年)は、平成29(30)年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)の右欄にある参考値(0年)(補正前)の時給換算額から一般通勤手当71(72)円を控除後の額から、当該控除後の額に新卒初任給を考慮した補正率(▲12%)を乗じた額をさらに控除後の額となります。
例えば、平成30年のプログラマーの基準値(0年)である1,221円≒(参考値(0年)(補正前)1,459円-72円)-(1,387円×0.12) という計算式から求められます。

注2:地域調整行左欄にある(北海道)が示すものは地域指数であり、派遣就業場所の地域の物価等を反映するために、職業安定業務統計の求人賃金を基に、全国計を100として、都道府県別(別に、ハローワークの管轄地域別もあります)に算出した指数のことです。地域調整行にある年数ごとの各欄の上段(下段)の数値は平成29(30)年分で、これは、当該数値に対応するプログラマー行にある年数ごとの各欄の上段(下段)の時給換算額に当該年分の地域指数を乗じて得た時給換算額です。
例えば、1年の列では、1,160円×1.163(能力・経験調整指数)×0.917(地域指数)≒1,238円(平成29年)、1,221円×1.16(同)×0.92(同)≒1,303円(平成30年)となっています。


<記入上の注意>
※1 賃金構造基本統計調査又は職業安定業務統計の対応する職種について、基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値別の数値を記載
※2 派遣先事業所の所在する場所に応じて、通達に定める地域指数を乗じた数値を記載

別表2 対象従業員の基本給及び賞与の額  
等級 職務の内容 基本給額
(※1)
賞与額 (※2) 合計額
(※4)
  対応する一般の労働者の平均的な賃金の額
(※3)
対応する一般の労働者の能力・経験
Aランク 上級プログラマー(AI関係等高度なプログラム言語を用いた開発)

1,600

320 1,920 1,729
1,837
10年
Bランク 中級プログラマー(Webアプリ作成等の中程度の難易度の開発)

1,250

250 1,500 1,411
1,482
3年
Cランク 初級プログラマー(Excelのマクロ等、簡易なプログラム言語を用いた開発)

1,000

200 1,200 1,064
1,124
0年
注3:対応する一般の労働者の平均的な賃金の額の列にある各ランク別の数値は、
例えば、
・Aランクでは、1,160円×1.625(能力・経験調整指数)×0.917(地域指数)≒1,729円(平成29年)、1,221円×1.635(同)×0.92(同)≒1,837円(平成30年)となっています。
・Bランクでは、1,160円×1.326(能力・経験調整指数)×0.917(地域指数)≒1,411円(平成29年)、1,221円×1.319(同)×0.92(同)≒1,482円(平成30年)となっています。
・Cランクでは、1,160円×1(能力・経験調整指数)×0.917(地域指数)≒1,064円(平成29年)、1,221円×1(同)×0.92(同)≒1,124円(平成30年)となっています。

結果的には、平成30年における対応する一般の労働者の平均的な賃金の額であっても、協定対象派遣労働者の基本給及び賞与の額(合計額)のほうが多くなっていますので、問題なしということになります。

(備考)
 賞与については、半期ごとの勤務評価の結果により、A評価(標準より優秀)であれば基本給額の25%相当、B評価(標準)であれば基本給額の20%相当、C評価(標準より物足りない)であれば基本給額の15%相当を支給する。
2 未だ勤務評価を実施していない対象従業員については、C評価(標準より物足りない)とみなして支給する。
3 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と比較するに当たっては、賞与額は標準的な評価であるB評価の場合の額によることとする。

< 記入上の注意>
※1 派遣労働者の基本給及び各種手当(賞与、超過勤務手当、通勤手当(分離して比較する場合)及び退職手当を除く)の合計を時給換算したものを記載。勤務評価の結果、その経験の蓄積・能力の向上があると認められた場合には、1〜3%の範囲で能力手当を加算
※2 賞与額は半期ごとの支給であったとしても時給換算したものを記載
※3 それぞれの等級の職務の内容が何年の能力・経験に相当するかの対応関係を労使で定め、それに応じた同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額を記載
※4 基本給額と賞与額の合計額を記載。この合計額が対応する同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額以上になっていることを確認

 協定締結後に厚労省が公表する賃金データが改訂された場合、別表2別表4に定める賃金の額は、改訂後の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額以上であることを確認した旨の書面を添付すること。

別表3 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額(退職手当の関係)  
勤続年数 3年 5年 10 15年 20年 25 30年 33年
支給率
(月数)
自己都合退職 0.8
0.8
1.3
1.4
2.9
3.1
5.0
5.3
7.2
7.6
10.1
10.6
12.4
13.3
14.0
15.3
会社都合退職 1.2
1.2
1.8
1.9
3.8
4.1
6.2
6.5
8.7
8.9
11.6
11.8
14.1
14.5
15.7
16.6
(資料出所)
「平成28年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)における退職金の支給率(モデル退職金・大学卒)(hatarakikatakaikaku_70.pdf へのリンク)に、同調査において退職手当制度があると回答した企業の割合(69.8%)(hatarakikatakaikaku_71.pdf へのリンク)をかけた数値として通達で定めたもの
例えば、
・自己都合退職で勤続年数3年の場合➣当該支給率1.1×退職制度導入割合0.698≒0.8
・会社都合退職で勤続年数3年の場合➣当該支給率1.7×退職制度導入割合0.698≒1.2
・自己都合退職で勤続年数33年の場合➣当該支給率20.1×退職制度導入割合0.698≒14.0
・会社都合退職で勤続年数33年の場合➣当該支給率22.5×退職制度導入割合0.698≒15.7


「平成30年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)における退職金の支給率(モデル退職金・大学卒)(hatarakikatakaikaku_73.pdf へのリンク)に、同調査において退職手当制度があると回答した企業の割合(71.3%)(hatarakikatakaikaku_74.pdf へのリンク)をかけた数値は、上記別表3にある各勤続年数ごとに、自己都合退職・会社都合退職いずれについても、各欄の下段の通りとなります。
例えば、
・自己都合退職で勤続年数3年の場合➣当該支給率1.1×退職制度導入割合0.713≒0.8
・会社都合退職で勤続年数3年の場合➣当該支給率1.7×退職制度導入割合0.713≒1.2
・自己都合退職で勤続年数33年の場合➣当該支給率21.5×退職制度導入割合0.713≒15.3
・会社都合退職で勤続年数33年の場合➣当該支給率23.3×退職制度導入割合0.713≒16.6


別表4 対象従業員の退職手当の額 
勤続年数 3年 以上 5年 未満 5年 以上 10年未満 10年以上15年未満 15年以上
25年未満
25年以上
35年未満
支給月数 自己都合退職 1.0 3.0 7.0 10.0 15.0
会社都合退職 2.0 5.0 9.0 12.0 17.0
別表4≧別表3(ただし、別表4「対象従業員の退職手当の額」における勤続年数25年以上35年未満での自己都合退職の場合の支給月数15.0と、別表3「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額(退職手当の関係)」における勤続年数33年での自己都合退職の場合の平成30年の支給月数15.3を対比すると、後者のほうが上回っていますので、前者を15.3以上にする必要があります)
別表3(再掲)  
勤続年数 3年 5年 10 15年 20年 25 30年 33年
支給率
(月数)
自己都合退職 0.8
0.8
1.3
1.4
2.9
3.1
5.0
5.3
7.2
7.6
10.1
10.6
12.4
13.3
14.0
15.3
会社都合退職 1.2
1.2
1.8
1.9
3.8
4.1
6.2
6.5
8.7
8.9
11.6
11.8
14.1
14.5
15.7
16.6
(備考)
1 退職手当については、退職時の基本給額に退職手当の支給月数を乗じて得た額を支給する。
2 退職手当の受給に必要な最低勤続年数は3年とし、退職時の勤続年数が3年未満の場合は支給しない。

 協定締結後に厚労省が公表する賃金データが改訂された場合、別表2別表4に定める賃金の額は、改訂後の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額以上であることを確認した旨の書面を添付すること。

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