令和2年度の法改正等の情報


令和2年6月10日更新

※それぞれ、該当ページへリンク設定していますので、是非ご確認下さい。なお、特記していない限り、施行予定日は令和2年4月1日になります。

【働き方改革(労働時間法制の見直しについて)】
>  残業時間の上限規制(中小企業)

【働き方改革(同一労働同一賃金)(「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(短時間・有期雇用労働法)について」】(ただし、中小企業は令和3年4月1日から)
> 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)について」➣大企業、中小企業に関わらず、一斉に施行されます

【年金関係】
> 年金額は前年度からは0.2%の引き上げとなりました

> 国民年金及び厚生年金保険料について

> 厚生年金保険の標準報酬月額の上限(現行第31等級620,000円)の上に、さらに1等級(第32等級650,000円)が加えられる予定です。令和2年9月施行予定です。

> 年金給付の経過措置について(令和2年度の年金給付の経過措置一覧表振替加算額算出一覧表年金額の端数処理一覧表)

> 遺族基礎・厚生年金の「遺族の要件」や「年金額」等について(令和2年度の(遺族厚生年金に加算される)経過的寡婦加算の表)

> 年金生活者支援給付金について(令和2年度における給付額の改定)
年金生活者支援給付金(h31_hokaisei_1.pdf へのリンク)は、年金を含めても所得が低く経済的な援助を必要としている者に対し、年金に上乗せして支給するものです。厚生労働省発行のパンフレットはこちら(h31_hokaisei_2.pdf へのリンク)からどうぞ。
当該給付金には、下記のように、4種類あります。
①老齢年金生活者支援給付金
【支給要件】
ア 65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること
イ 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が、老齢基礎年金満額相当(令和1年度分の基準額は平成30年度の老齢基礎年金満額相当である779,300円を使用します*1)以下であること
ただし、令和1年度の老齢基礎年金満額は780,100円です(令和2年度の同満額は781,700円とされています)。詳細については、人事労務トピックス一覧表にある「令和2年度年金額等について」をご参照下さい。

*1 なお、令和2年8月1日からは、その基準額が779,900円以下となります。

ウ 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
【給付額】
・保険料納付済期間に基づく給付額
給付額(月額)=5,000円(令和2年度は5,030円(0.5%増*2))×保険料納付済期間(月数)/480箇月
・保険料免除期間に基づく給付額
給付額(月額)=10,834円(令和2年度は10,856円*3)(ただし、保険料1/4免除期間の場合は5,417円(令和2年度は5,428円*4))×保険料免除期間(月数)/480箇月
(例)
・保険料納付済期間480箇月の場合
➣5,000円×480箇月/480箇月=5,000円
・保険料納付済期間240箇月、保険料全額免除期間240箇月の場合
➣5,000(5,030)円×240箇月/480箇月+10,834(10,856)円×240箇月/480箇月=7,917(7,943)

*2 令和1年の物価変動率(+0.5%)に基づいています。5,000円×1.005=5,025≒5,030円となります。
*3 令和2年度の老齢基礎年金満額781,700円×1/12÷6≒10,856円(ちなみに、令和1年度分は、780,100円×1/12÷6≒10,834円)となります。
*4 令和2年度の老齢基礎年金満額781,700円×1/12÷12≒5,428円(ちなみに、令和1年度分は、780,100円×1/12÷12≒5,417円)となります。

②補足的老齢年金生活者支援給付金
【支給要件】
上記①の【支給要件】のうち、所得要件であるイを満たさない者であっても、
前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が779,300円超879,300万円*5
以下の者に対しては、老齢年金生活者支援給付金を受給する者と所得総額が逆転しないよう、補足的な給付を支給するもの

*5 なお、令和2年8月1日からは、それが779,900円超879,900円以下となります。

【給付額】
所得の増加に応じて逓減する。
給付額(月額)=5,000円(5,030円)×保険料納付済期間(月数)/480箇月×<(補足的老齢年金生活者支援給付金の上限基準額である879,300(879,900)円-前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額)/(補足的老齢年金生活者支援給付金の上限基準額である879,300(879,900)円-老齢年金生活者支援給付金の上限基準額である779,300(779,900)円)>
(例)
・保険料納付済期間480箇月の場合で、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が800,000円の場合
➣5,000(5,030)円×480箇月/480箇月×<(879,300(879,900)円-800,000円)/(879,300(879,900)円-779,300(779,900)円)>= 3,965(≒4,019)

③障害年金生活者支援給付金
【支給要件】
・障害基礎年金の受給者であること
・前年の所得が4,621,000円以下であること
【給付額】
・障害等級2級の場合➣給付額(月額)5,000円(5,030円)
・障害等級1級の場合➣給付額(月額)6,250円(5,030円×1.25≒6,288円)

④遺族年金生活者支援給付金
【支給要件】
・遺族基礎年金の受給者であること
・前年の所得が4,621,000円以下であること
【給付額】
給付額(月額)5,000円(5,030円)

●施行日➣令和元(2019)年10月1日(消費税率の10%への引上げ日)
なお、10月施行ではあるが、初回支払いは12月(10月分と11月分)で、2箇月ごと、年金に上乗せして支給されるとのことです。
●手続➣本人の認定請求により受給権が発生し、その支給事務は日本年金機構が担います。
●費用➣全額国庫負担
●税➣非課税
●認定請求書➣給付を受けるためには、「年金生活者支援給付金請求書(はがき形式)」を提出する必要があるとのことです。なお、平成31年4月2日以後に基礎年金を受給する者については、事前(平成30年12月末頃)に同請求書が発送されているとのことで、平成31年4月から事前受付が開始されるとのことです。また、平成31年4月1日時点での基礎年金受給者に関しては、令和元年(2019)年9月中に、同請求書が発送され、受付が開始されています。
●なお、厚生労働省のホームページにおいて、特設ページが設けられています。

【健康保険関係】
➣ 健康保険料率及び介護保険料率について
健康保険・厚生年金保険料率が前年度からの据置き(兵庫県の場合➣10.14%(101.4/1,000))とされています。なお、全国一律の介護保険料率は改定(1.79%(17.9/1,000))されています。さらに、令和2年4月1日からは、子ども・子育て拠出金率も改定(0.36%(3.6/1,000))される予定です。

> 健康保険の被扶養者(国民年金第3号被保険者も)の認定において、原則として「国内居住要件」が導入されます。

> 介護保険法の改正
介護保険料の計算方法が「加入者割」から「総報酬割」へ変更されていますが、全面総報酬割へ向けての「激変緩和措置」は廃止され、令和2年4月からは全面総報酬割になります。

> 後期高齢者医療制度
保険料(均等割額)の軽減特例措置の見直しにつき、令和2年度から、一部、本則の軽減割合である7割軽減になってしまう部分があります。

【雇用保険関係】
➣ 雇用保険料率については、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会からの「雇用保険部会報告」で示された方向性につき、ご留意下さい。基本的には、全体としての雇用保険料率は前年度からの据置きとされています。ただし、その中には、育児休業給付に係る雇用保険料率が含まれることになっており、失業等給付に係る雇用保険料率としては、育児休業給付に係る雇用保険料率の分だけ引き下げられることになります。


なお、厚生労働省のホームページ上では、「失業等給付分」「育児休業給付分」それぞれについての料率の内訳の説明がありませんが、「労働者負担分」「事業主負担分」いずれについても上記画像に挿入した注釈の通りになります。

> 高年齢被保険者については、従来、保険年度の初日(4月1日)において、満64歳以上の労働者については、雇用保険料の負担が免除(事業主も同様)されていましたが、令和2年4月1日からは、当該被保険者も含めることですべての被保険者について雇用保険料の納付が必要になります。

> 基本手当等の受給資格要件のひとつで、雇用保険の被保険者期間については、賃金支払基礎日数が11日以上ある場合に1箇月としてカウントしていますが、当該要件が満たせなくても、当該月における労働時間が80時間以上ある場合にも、同じ扱いにすることになります。令和2年8月1日施行予定です。

> 基本手当について、自己都合離職者に対しての現行の給付制限(原則3箇月)が2箇月に短縮される予定です。ただし、5年間のうち2回が限度になるとのことです。なお、施行予定日は不明ですが、上記と同様、令和2年8月1日になるものと思われます

【労働に関する法律関係】
> 雇用関係助成金について(「令和2年度における改正(創設も含む)概要」➣赤字強調)

> 障害者の雇用の促進等に関する法律の改正
短時間(週所定労働時間が10時間以上20時間未満)の雇用障害者(特定短時間労働者)の数に応じた「特例給付金」支給制度が創設されます。

> 中小企業のための女性活躍推進事業について
常用労働者301人以上の事業主については、
令和2年4月1日以後が始期となる一般事業主行動計画を作成する際は、原則として、下記①と②の区分ごとに1つ以上の項目を選択し、それぞれ関連する数値目標を定めた行動計画の策定届を管轄の都道府県労働局まで届け出る必要があります。
「①職業生活に関する機会の提供に関する実績」
「②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」

上記以外にも、令和2年6月1日施行の制度もあり、それらの詳細については、Information一覧表にある「中小企業のための女性活躍推進事業について」をご参照下さい。

【その他】
> 電子申請について
特定法人(資本金等の額が1億円超の法人・相互会社・投資法人・特定目的会社)については、一部手続きにつき、電子申請での手続が義務化されます。

> 令和2年4月からは、電子証明書がなくても、無料で取得可能なID ・パスワード( 「GビズID」=1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムのことです)で電子申請(「マイナポータル」+GビズID」方式➣これは、日本年金機構のホームページから無料ダウンロードできる「届書作成プログラム」を介した形になります)が可能になります。また、令和2年9月末に予定されている「e-Gov」の改修により、「e-Gov」でも、「e-Gov」+「GビズID」方式で電子申請ができる予定です。もちろん、「e-Gov」では、従来からの電子証明書も使えますので、令和2年9月末の改修後は、新しい方式と従来からの方式とが混在する形になります。
従って、
・令和2年4月以後➣「e-Gov」+「電子証明書」方式 or 「マイナポータル」+「GビズID」方式
・令和2年9月末以後➣「e-Gov」+「電子証明書」方式 or 「e-Gov」+「GビズID」方式 or 「マイナポータル」+「GビズID」方式


※なおた、令和2年4月以後、我々社会保険労務士が「GビズID」を用いて新規に電子申請(提出代行)をする場合には、「提出代行に関する証明書(新様式)」の下部に、「社会保険労務士証票」の写しを貼付する必要があるとのことです。参考までに、新様式はこちら(denshishinsei_22.pdf へのリンク)のようになります。

> 民法(債権法)の大改正
特に、身元保証賃金等請求権の消滅時効については、注目すべき事項であろうと考えます。

> パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務が新設されます。令和2年6月1日施行予定です。なお、中小企業は令和4年3月31日までは努力義務ですが、同年4月1日からは義務化される予定です。

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