後期高齢者医療制度


令和3年4月8日更新

 先ず、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会においても議論されてきた「後期高齢者の自己負担割合の在り方」(「全世代型社会保障改革の方針(案)(R2.12.14)」から一部抜粋したもの➣11_14.pdf へのリンク)については、実際に2割負担となる層をどこに設定するかで紆余曲折があり、最終的には政治的な解決が図られたところです。その概要について、下記します。
(2割負担となる収入基準)
 課税所得が28万円以上及び年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は、後期高齢者の年収合計が320万円以上)とされています。なお、「課税所得」とは、公的年金等の収入がある場合を見ると、そこから公的年金等控除額を差し引いたものが「所得」となり、さらに、「所得」から社会保険料控除、扶養控除、基礎控除といった所得控除を差し引いた後の額のことです。
(配慮措置)
 施行に当たっては、長期に亘って頻繁に受診する患者等への配慮措置として、2割負担への変更により影響が大きい外来患者について、施行後3年間、1か月分の負担増を、最大で3,000円に収まるような措置(いわゆる激変緩和措置)を導入するとのことです。
例えば、1か月の医療費が60,000円だとして、現行の1割負担であれば6,000円ですが、2割負担で12,000円となり、6,000円の負担増となりますが、その負担増を3,000円に抑えることで、結果的には自己負担額は9,000円になるというものです。
(施行時期)
 令和4年度の後半とされており、令和4年10月から令和5年3月までの各月の初日が想定されています。

-後期高齢者医療制度の見直しについて-

 平成29月4月から、保険料軽減特例の縮小化が図られていますが、さらに、当該制度の保険料を決める基準である保険料率(均等割額と所得割率)が2年こどに見直されていることに伴い、平成30年度と令和1年度につき、当該見直しが実施されましたので、その概要について説明します。なお、弊事務所が位置する「兵庫県後期高齢者医療広域連合」についての取組を対象とします。
 また、その後の令和2年度と令和3年度の2年間についても、保険料率等の見直し(厚生労働省プレスリリース_後期高齢者医療制度の令和2・3年度の保険料率について(11_10.pdf へのリンク)・兵庫県後期高齢者医療広域連合_令和元年度第2回兵庫県後期高齢者医療制度懇話会資料(一部抜粋)_令和2・3年度における保険料率の改定案について(11_11.pdf へのリンク))がなされておりますので、下記に青色で強調表示していますので、ご確認下さい。

 なお、令和2年分以後につき、公的年金等控除額が一律10万円引き下げ(11_12.pdf へのリンク)られており、例えば、65歳以上の公的年金等の収入金額が330万円以下の場合で、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合では、改正前は120万円だったものが110万円になりました。ただ、令和2年分以後ということですので、後期高齢者医療保険における適用は令和3年度以後になります。

※ 平成29年度後期高齢者医療保険料軽減措置の見直し(兵庫県後期高齢者医療広域連合)(11_3.pdf へのリンク)
※ 平成30・31年度の保険料率を決定しました(11_5.pdf へのリンク)

 当該制度の対象者は基本的には、兵庫県内にお住まいの75歳以上の者及び同じく65歳以上75歳未満の一定の障害がある者で申請により同広域連合の認定(障害認定)を受けた者です。当該制度の保険料は、被保険者が等しく負担する「均等割額」と前年の所得に応じて負担する「所得割額」の合計となります。

【見直し内容】
1. 所得割(その率=10.17%)は平成29年度に2割軽減、平成30年度に本則(軽減なし)とする。
● 令和2年度と令和3年度の所得割➣10.49%(本則)

2. 均等割額48,855円(軽減なしの場合)となり、平成28年度・平成29年度と比較して、558円のアップとなりました。
● 令和2年度と令和3年度の均等割額➣51,371円

3. 当該制度に加入する前日(75歳の誕生日の前日及び上記障害認定を受けた日の前日)に、被用者保険の被扶養者だった者*の所得割は当面、賦課しないものとする。

4. 上記3.の被扶養者だった者*の均等割平成29年度に7割軽減(48,297円×(1-0.7)≒14,489円)、平成30年度に5割軽減(48,855円×(1-0.5)≒24,427円)、令和1年度以後は制度本来の軽減措置(=後期高齢者医療制度の被保険者となってから2年間は5割軽減(51,371円×(1×0.5)≒25,685円)、つまり、3年目以降は軽減が全くなし)とする。
* 後期高齢者医療制度に加入する前日に、会社の健康保険などの被用者保険の被扶養者だった者のことを言います。

【所得割の軽減についての補足】
  所得割額算定に係る所得が、総所得金額等(=収入額-控除額(*1))-基礎控除額33万円(令和3年度からは430,000円になります)≦58万円(つまり、58万円以下)の者については、特例的に5割軽減だったのを、平成29年度は2割軽減としていましたが、平成30年度以後は当該軽減特例措置は廃止されました。
*1 公的年金等控除額、給与所得控除額、必要経費といったものを指し、いわゆる「所得控除」とされる社会保険料控除額、医療費控除額、扶養控除額等は含みません。

 所得割については、例えば、年金収入だけで211万円の場合だと、公的年金等に係る雑所得が2,110,000円-1,100,000円-430,000円=580,000円となりますが、上記の通り、軽減特例措置が廃止されましたので、所得割額=580,000円×10.17(10.49)%×1≒58,986(=60,842)円となります。なお、年金収入だけで153万円の場合だと、公的年金等に係る雑所得が1,530,000円-1,100,000円-430,000円=0円となって、所得割の賦課そのものがありません。

【均等割の軽減についての補足】
※ 令和1年度においては、均等割額の軽減措置の見直し(11_6.pdf へのリンク)が実施されています。下記赤字の部分が該当します。ご留意下さい。

  同一世帯内の被保険者及び世帯主の総所得金額等が次の1から4の基準額以下の世帯の場合、軽減割合は次の通りとなります。
1. 基礎控除額 (33万円)以下で世帯内の被保険者全員の所得 (公的年金等控除額は 80万円として計算し、年金特別控除という150,000円(*2)の控除額については適用しない)が0円の場合→
 軽減割合 8割(見直し前9割) 48,855円×(1-0.8)=9,771円

2. 基礎控除額 (33万円)以下で上記1以外 の場合→
 軽減割合 8.5割 48,855円×(1-0.85)≒7,328円

上記1.の8割軽減と2.の8.5割軽減を事例で示すと下記のようになります。
<8割軽減>
(事例)
基礎年金受給者(老齢基礎年金受給年額80万円)の単身世帯の場合で見ると、800,000円(年金受給額)-1,200,000円(公的年金等控除額)-150,000円*2(年金特別控除額)≦330,000(つまり、基礎控除額 (33万円)以下)に当てはまり、8.5割軽減の対象者になります。さらに、800,000円-800,000円(8割軽減判定時の控除額)≦0となって、最終的には8割軽減の対象者になるというわけです。
(見直し前9割軽減だったものが8割軽減になる理由)
 下記「特記事項」に記載の通り。

<8.5割軽減>
(事例)
  厚生年金受給者(老齢基礎・老齢厚生年金受給年額168万円)の単身世帯の場合で見ると、1,680,000円(同)-1,200,000円(同)-150,000円*2(同)≦330,000(つまり、基礎控除額 (33万円)以下)に当てはまり、8.5割軽減の対象者になります。なお、1,680,000円-800,000円(8割軽減判定時の控除額)=880,000円となって、8割軽減の対象者にはならないということになります。
  この8.5割軽減対象者に関しては、令和元年10 ⽉から1 年間、軽減特例に係る国庫補助の廃⽌により負担増となる所要額について特例的に補填を⾏うとのことです。

*2 65歳以上の公的年金受給者は、総所得金額等から年金所得の範囲内で最大15万円を控除した上で軽減判定されるからです。

 上記1.と2.についての「特記事項」(厚生労働省ホームページにおいて、「後期高齢者医療保険料軽減特例の見直しについて」とする資料(11_7.pdf へのリンク)が公開されています。ご参照下さい)
<1.について>
 本則の軽減割合を7割としながらも、低所得者に配慮して、平成30年度までは9割軽減(つまり、2割部分が国庫補助)としてきたものです。そして、令和1年度においては、4月から9月まではその軽減割合を従前の9割で維持するものの、10月以後は当該国庫補助(2割部分)が廃止されることになります。このことは、半年間が9割軽減であることから、通年で均すと8割軽減(<(2(国庫補助割合)×6)+(0(同)×6)>/12=1➣つまり、通年で1割分(9-8=1)の国庫補助があるということです)になることを意味します。ただ、1.の対象となる層向けには、10月からの消費税増税に合わせて実施される予定の「年金生活者支援給付金の支給」や「介護保険料軽減の拡充※3」により、当該国庫補助の廃止による保険料負担の緩和が図られることになるとされているものです。従来からの9割軽減の対象者がいきなり8割軽減になり、8.5割軽減対象者との間で一見不公平感がありますが、上記「年金生活者支援給付金の支給」及び「介護保険料軽減の拡充」により、実質的には、8.5割軽減対象者よりは保険料負担は緩和されるとされています。
 なお、令和2年度以後においては、完全に、本則の7割軽減(51,371×(1-0.7)≒15,411円)になります。
 さらに、令和3年度においては、令和2年分からの基礎控除額等の見直しにより、被保険者への意図しない影響や不利益が生じないようにするために、所得基準額(つまり、下記の計算式の額以下の場合には、7割軽減の対象になるというもの)の変更がなされています。

 基礎控除額430,000円+100,000円×(年金・給与所得者数-1)
 (年金・給与所得者とは、公的年金等所得又は給与所得及びその両方がある者のこと)

※ 兵庫県後期高齢者医療広域連合のホームページの中の「保険料」➣「所得の低い方の軽減」(令和3年度)において、解説されています。ご参照下さい。

<2.について>
 本則の軽減割合を7割としながらも、低所得者に配慮して、平成30年度までは8.5割軽減(つまり、1.5割部分が国庫補助)としてきたものです。そして、令和1年度においては、4月から9月まではその軽減割合を従前の8.5割で維持するものの、10月以後は当該国庫補助(1.5割部分)が廃止されることになります。そして、半年間が8.5割軽減であることと当該国庫補助の廃⽌を受け、負担増となる所要額(つまり、1.5割の部分)についての特例的な補填が10月から1年間に限って実施されることで、結果的には、通年で8.5割軽減になることを意味します。
 なお、令和2年度においては、令和2年9月までの特例的な補填により、半年間は8.5割軽減(51,371×(1-0.85)≒7,705円)であることから、通年で均すと7.75割軽減(<(1.5(特例的な補填割合)×6)+(0×6)>/12=0.75➣つまり、0.75割分(7.75-7.00=0.75)の国庫補助があるということです)(51,371×(1-0.775)≒11,558円)になります。そして、令和3年度以後は、完全に、本則の7割軽減になります。

7,705円×6(8.5割軽減)+15,411円×6(本則の7割軽減)=138,696円⇔11,558円×12(7.75割軽減)=138,696円 ということです。

※3 介護保険の第1号被保険者について、公費負担割合5割に加えて、さらに、公費を投入することで、低所得者の保険料負担の軽減化を図るものです。これについては、平成27年度から一部実施されており、神戸市(11_8.pdf へのリンク)を例に取ると、第1段階(本人が市民税非課税で、世帯全員も市民税非課税で、生活保護受給者や本人の公的年金等の収入金額と合計所得金額との合計が80万円以下の者などが対象)については、平成26年度までは「基準額×0.45」だったものが、平成27年度からは「基準額×0.4」となっていますが、令和元年4月から完全実施(ただし、1/2)され、「基準額×0.325」になっています。さらに同じく、令和元年4月から、第2段階(本人が市民税非課税で、世帯全員も市民税非課税で、本人の公的年金等の収入金額と合計所得金額との合計が120万円以下の者が対象)については、従前の「基準額×0.7」が「基準額×0.575」となり、第3段階(本人が市民税非課税で、世帯全員も市民税非課税で、本人の公的年金等の収入金額と合計所得金額との合計が120万円超の者が対象)については、従前の「基準額×0.75」が「基準額×0.725」になって、やはり完全実施(ただし、1/2)されています。つまり、神戸市の場合は、国ベース(介護保険第1号被保険者の保険料の低所得者軽減強化)(11_9.pdf へのリンク)から半年前倒しで低所得者(第1段階から第3段階)向けの軽減強化策を講じています。ただ、国、神戸市いずれの場合も、月毎の軽減割合の年間(国は半年)累計は同じになりますので、帳尻は合っています。その計算根拠は下記の通りです。そして、令和2年度については、国、神戸市いずれも年間累計になりますので、やはり同じ結果になっています。

(国ベースでの軽減割合)
・ 第1段階 平成27年度(一部実施)➣従前の「基準額×0.5」が「基準額×0.45」
 また、令和元年10月から(1/2完全実施)➣「基準額×0.45」が「基準額×0.3」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.45-0.3)×6=0.9となります。
 さらに、令和2年4月から(完全実施)➣「基準額×0.45」が「基準額×0.3」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.45-0.3)×12=1.8となります。

・ 第2段階 令和元年10月から(1/2完全実施)➣「基準額×0.75」が「基準額×0.5」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.75-0.5)×6=1.5となります。
 さらに、令和2年4月から(完全実施)➣「基準額×0.75」が「基準額×0.5」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.75-0.5)×12=3となります。

・ 第3段階 令和元年10月から(1/2完全実施)➣「基準額×0.75」が「基準額×0.7」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.75-0.7)×6=0.3となります。
  さらに、令和2年4月から(完全実施)➣「基準額×0.75」が「基準額×0.7」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.75-0.7)×12=0.6となります。

(神戸市の軽減割合)(令和2年度の65歳以上の方の保険料に関する声明)(11_13.pdf へのリンク)
・ 第1段階 平成27年度(一部実施)➣従前の「基準額×0.45」が「基準額×0.4」
 また、令和元年4月から(1/2完全実施)➣「基準額×0.4」が「基準額×0.325」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.4-0.325)×12=0.9となります。
 さらに、令和2年4月から(完全実施)➣「基準額×0.4」から「基準額×0.25」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.4-0.25)×12=1.8となります。

・ 第2段階 令和元年4月から(1/2完全実施)➣「基準額×0.7」が「基準額×0.575」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.7-0.575)×12=1.5となります。
 さらに、令和2年4月から(完全実施)➣「基準額×0.7」から「基準額×0.45」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.7-0.45)×12=3となります。

・ 第3段階 令和元年4月から(1/2完全実施)➣「基準額×0.75」が「基準額×0.725」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.75-0.725)×12=0.3となります。
 さらに、令和2年4月から(完全実施)➣「基準額×0.75」から「基準額×0.7」
➣ 従って、月毎の軽減割合の累計=(0.75-0.7)×12=0.6となります。

<雑感>
 消費税率10%への引き上げに加え、後期高齢者医療の保険料のアップは、年金だけが頼りの高齢者にとってはその負担感は軽くないと想像される。片や、渦中の某自動車メーカーの前会長に天文学的な額の報酬が支払われていた現実は、それら高齢者にはどう映るのであろうか?ご本人によれば、正当な範囲の報酬であるとの主張であるが、その陰で、その某自動車メーカーによってリストラされた数多くの労働者が存在したことは紛れもない事実で、彼らが負った犠牲の持つ意味もまた重い。やるせない想いである。

※ 参考までに、大阪府後期高齢者医療広域連合のホームページには、保険料の試算ができる特設サイトがあります。ご紹介致します。

3. 基礎控除額(33万円)+(28万円(見直し前27.5万円)(285,000円)×被保険者数)以下の場合→軽減割合 5割 48,855(51,371)円×(1-0.5)≒24,427(25,685)

● 令和2年度からは所得基準額の引き上げ、つまり、5割軽減の対象が拡大することになります。
● さらに、令和3年度においては、令和2年分からの基礎控除額等の見直しにより、被保険者への意図しない影響や不利益が生じないようにするために、所得基準額(つまり、下記の計算式の額以下の場合には、5割軽減の対象になるというもの)の変更がなされています。

 基礎控除額430,000円+285,000円×被保険者数+100,000円×(年金・給与所得者数-1)
 (年金・給与所得者とは、公的年金等所得又は給与所得及びその両方がある者のこと)

(事例)
  後期高齢者世帯が夫婦世帯である場合で見ると、一方の年金収入が2,220,000(2,250,000)(2,350,000)円(2,220,000(2,250,000)(2,350,000)円(同)-1,200,000(1,100,000)円(同)-150,000円*2(同)=総所得金額等870,000(900,000)(1,100,000)円)であって、もう一方の年金収入が80万円の場合は、当該世帯全体で考えると、一方の総所得金額等が870,000(900,000)(1,100,000)円で、もう一方は同0円であることから、当該世帯全体の総所得金額等が330,000(430,000)円+280,000(285,000)(285,000)円×2+100,000円×1=890,000(900,000)(1,100,000)円以下という基準額以下となるので、軽減割合が5割になります。

4. 基礎控除額(33万円)+(51万円(見直し前50万円)(520,000円)×被保険者数の場合)以下の場合→軽減割合 2割 48,855(51,371)円×(1-0.2)≒39,084(41,096)

● 令和2年度からは所得基準額の引き上げ、つまり、2割軽減の対象が拡大することになります。
● さらに、令和3年度においては、令和2年分からの基礎控除額等の見直しにより、被保険者への意図しない影響や不利益が生じないようにするために、所得基準額(つまり、下記の計算式の額以下の場合には、2割軽減の対象になるというもの)の変更がなされています。

 基礎控除額430,000円+520,000円×被保険者数+100,000円×(年金・給与所得者数-1)
 (年金・給与所得者とは、公的年金等所得又は給与所得及びその両方がある者のこと)

(事例)
 後期高齢者世帯が夫婦世帯である場合で見ると、一方の年金収入が2,660,000(2,700,000)(2,820,000)円(2,660,000(2,700,000)(2,820,000)円(同)-1,200,000(1,100,000)円(同)-150,000円*2(同)=総所得金額等1,310,000(1,350,000)(1,570,000)円)であって、もう一方の年金収入が80万円の場合は、当該世帯全体で考えると、一方の総所得金額等が1,310,000(1,350,000)(1,570,000)円で、もう一方は同0円であることから、当該世帯全体の総所得金額等が330,000(430,000)円+510,000(520,000)(520,000)円×2+100,000円×1=1,350,000(1,370,000)(1,570,000)円以下という基準額以下となるので、軽減割合が2割になります。

-高額療養費について-

 1か月(同じ月内)の医療費の自己負担額が高額になったときは、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。外来については個人単位、入院がある場合は世帯単位で計算されます。
〈平成30年8月からの分〉
 負担
割合
所得区分 自己負担限度額(月額) 
外来(個人ごと)   外来+入院(世帯ごと)
 3割  現役
並み
所得者
 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
(多数該当 140,100円) ※1
 Ⅱ  167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
(多数該当 93,000円) ※1
 Ⅰ  80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
(多数該当 44,400円) ※1
 1割  一般  18,000円
(年間上限144,000円) ※2
57,600円
(多数該当44,400円) ※1 
 低所得  Ⅱ 8,000円  24,600円
 Ⅰ  15,000円
※ 1 多数該当
 診療月から起算して過去12か月以内に世帯で3回以上高額療養費が支給されている場合、4回目以降の額(入院または世帯合算の自己負担限度額が適用された月のみカウントします。また、他の医療保険での支給回数は通算されません)
※ 2 年間上限
 一般区分の場合は、1年間(8月~翌7月)の外来の自己負担額の合計額に年間144,000円の上限が設けられます。
● 差額ベッド代など保険診療対象外のものや入院時の食事代などは、高額療養費の計算対象に含まれません。
● 同じ医療機関等の窓口でのお支払は、上表の自己負担限度額までとなります(ただし、入院・外来・医科・歯科はそれぞれで計算します)。
● 低所得Ⅱ・Ⅰの適用を受ける場合は、医療機関等の窓口で被保険者証とあわせて「限度額適用・標準負担額減額認定証」を提示する必要があります。

 上記については、兵庫県後期高齢者医療広域連合のホームページにある「1か月の医療費が高額になったとき(高額療養費)」についての説明文書から抜粋(一部)したものです。
 なお、当方の母親が令和2年12月に白内障の手術などを受けた際の実例を下記に掲載しておきますので、上記を踏まえながら、ご参考になさっていただけましたら幸いです。


 母親は令和2年12月、白内障の手術を受けた眼科以外にも整形外科や内科などでも診療を受けています。各日の医療費はさておき、自己負担となる「1割負担額」というのは保険者側としては1円単位での算定となりますが、実際に被保険者が窓口で支払う場合には、10円未満を四捨五入した額になります。そして、「高額療養費」としての算定上は、前者の1円単位をベースにしています。さらに、母親の所得区分は「低所得Ⅱ」に該当します。先ずそれらが前提です。
 先ずは「外来」のみで算定します。同連合の上記説明文書には、「同じ医療機関等の窓口でのお支払は、上表の自己負担限度額までとなります」とあり、それを当てはめると、主に黄色で強調した部分の医療機関が該当します。なお、K病院とKクリニックという名称からすると違う医療機関のようですが、実はこれら医療機関は同じ敷地内にあって、しかもお互い協力関係にあり、さらに同連合の給付課に確認したところ、同連合に届いた診療報酬明細書(レセプト)により同一の医療機関(医療法人社団)として把握し計算しているとのことでした。
 それを踏まえて計算すると、合計で7,170円になります。ただ、「外来」のみでの「自己負担限度額(月額)」が8,000円ですので、この段階では「高額療養費」の算定にはならないとされます。しかし、その部分が「外来」のみの「高額療養費」の算定ではなく、「外来におけるすべての医療機関等の窓口での支払合計額」である11,188円をもって当該算定を行うとのことで、それによると、上記画像にあるように、11,188円-8,000円=3,188円が「外来」のみでの「高額療養費」の算定になるとのことです。同連合の説明文書と実際の運用との間には整合性がない感があり分かりにくい面がありますが、実態としてはそのような計算を行っているようです。
 次に「外来+入院」での算定に移り、「外来」での一部負担金の合計額である11,188円のうち「高額療養費」の算定額である3,188円を除いた残余8,000円と入院時の一部負担金である24,600円*4との合計額から「外来+入院」での「自己負担限度額(月額)」である24,600円を差し引いた8,000円がさらなる「外来+入院」での高額療養費の算定になります。
 結果として、母親に係る「高額療養費」の算定の合計額は11,188円となりました。同連合から届いた「後期高齢者医療 高額療養費支給決定通知書」(個人情報の部分は黒塗り)(11_15.pdf へのリンク)をご参照下さい。
*4 K病院への入院当日(R2.12/2・12/16)に、「後期高齢者医療限度額・標準負担額減額認定証」(個人情報の部分は黒塗り)(11_16.pdf へのリンク)を提示することで、母親の「外来+入院」での「自己負担限度額(月額)」である24,600円のみの支払いとなったためです。


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